更新日: 2024.02.21 セカンドライフ

夫の定年後は年金「20万円」と貯蓄「1000万円」で暮らす予定です。私はパートを続けたほうがよいでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

夫の定年後は年金「20万円」と貯蓄「1000万円」で暮らす予定です。私はパートを続けたほうがよいでしょうか?
定年退職後は働かず、貯蓄と年金だけで暮らしたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
 
金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」によると、老後の生活には、およそ2000万円以上もの資金が必要といわれています。貯蓄と年金だけで暮らしていく場合には、自分たちの老後にいくらお金が必要なのかを把握することが大切です。
 
そこで今回は、夫婦2人で20万円の年金と1000万円の貯蓄だけで生活できるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

65歳以上の夫婦における毎月の支出額は?

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における平均支出は26万8508円とのことです。そのうち保険料や税金など、必ずかかる支出が3万1812円であり、生活費や娯楽費による出費は23万6696円です。
 
ただし上記の数字はあくまで平均ですので、趣味にお金をかけたり、病気やけがによる医療費がかかったりすると、支出は増えてしまう可能性があります。
 

毎月20万円の年金と貯蓄1000万円のみで何年生活できるのか

65歳以上の生活に必要なお金が分かったところで、今回のケースである夫婦2人で毎月20万円の年金収入と1000万円の貯蓄で、何年生活できるのか見てみましょう。
 
支給される20万円の年金から、平均支出の26万8508円を差し引くと、毎月6万8508円の不足分が発生します。不足額を1000万円の貯蓄を切り崩していくわけですが、年間にして不足分が82万2096円ですので、およそ12年間は貯蓄だけで生活ができそうです。
 
しかし、65歳からだと77歳で貯蓄を使い果たしてしまいます。
 
厚生労働省「令和4年簡易生命表」によると、令和4年時点での平均寿命は男性で約81歳、女性で約87歳です。平均寿命まで生きた場合は、貯蓄が底を尽きる可能性は高いといえます。
 
上記より、年金20万円と貯蓄1000万円で生涯生活することは難しいと考えられるでしょう。
 

夫の定年退職後の不足分は妻のパートで補ってもよい

毎月20万円の年金収入と1000万円の貯蓄だけでは、老後の生活を乗り切ることは難しいことが分かりました。
 
しかし、貯蓄が尽きた77歳から働こうと思っても職に就けるか心配なところです。
 
方法としては、定年退職後も再雇用や再就職にて夫が働き続けるか、妻のパートで不足分を補う選択肢があります。パートを続けるのであれば、不足分のおよそ7万円の収入があれば、貯蓄を切り崩さなくても生活できます。
 
もしもパートで毎月の収入が7万円に届かない場合には、夫婦で働くことを検討する必要がありそうです。
 

余裕ある老後のためにもパートは続けるほうが安心

夫婦が平均的な支出額で生活する場合、毎月20万円の年金と1000万円の貯蓄で老後を生活していくのは難しいことが分かりました。貯蓄を切り崩して生活するとなると、77歳で貯蓄が底をついてしまいます。
 
その場合には、妻がパートで月7万円程度稼ぐか、夫婦で共働きにて不足分を賄う必要があります。節約して平均支出額よりも少ない出費で生活することもいいですが、万が一に備えて働けるうちは収入源を確保しておくと安心でしょう。
 

出典

金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」令和元年6月3日(16ページ)
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要(18ページ)
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況(2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集