更新日: 2024.02.22 セカンドライフ
50代夫婦で貯蓄は「300万円」です。退職金で「2000万円」出るのでこれから貯めなくても老後は暮らせますよね?
本記事では、貯蓄300万円と退職金2000万円にくわえて年金を受給できる場合を例に挙げて、支出額との差や老後に働く必要性についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
貯蓄と退職金と満額年金額を合計するといくらになる?
まずは、毎月どのくらいの額の年金を受給できるのかを考えてみましょう。
日本年金機構によると、令和5年4月分からの年金額は、67歳以下の方が前年度より2.2%、68歳以上の方が1.9%引き上げられていました。
これにより、国民年金(老齢基礎年金)は満額で月6万6250円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額の場合)は22万4482円となっています。
1年に換算すると約270万円、65~100歳までの35年間だと、合計約9450万円の年金を受け取ることになります。これに貯蓄と退職金を足した金額は、1億1750万円です。
65歳以上無職世帯の平均支出額との差額は?
総務省統計局の家計調査によると、高齢者のいる世帯のうち「世帯主が65歳以上」かつ「無職世帯」の1ヶ月の実支出は27万1524円となっています。
65〜100歳までの35年間に換算すると、支出額の合計は約1億1404万円です。貯蓄と退職金と年金の合計である約1億1750円から引くと、350万円ほど余ることが分かりました。
しかし、上記の支出額はあくまでも平均額であるため、大きな出費があった時の不測の事態などに備えて定年までにしっかりと貯蓄をしておくことをおすすめします。
老後破産に陥る可能性も考えておく必要がある
年金を満額受け取り、300万円の貯蓄と2000万円の退職金があると、350万円ほど余ることが分かりました。
しかし、たとえ貯蓄や退職金が十分な額であっても、老後破産に陥ることは珍しくありません。特に、定年後も生活レベルを落とせないことや、住宅ローンが残っていることなどが、老後破産の原因になりやすいといわれています。
また、高齢になると予期せぬけがや病気などで医療費や介護費がかさむようになる可能性もあります。そういったことも考えて、本当に定年後は働く必要がないのか、慎重に検討していきましょう。
不足分を補うには十分だが「老後破産」を防ぐためにはさらなる備えが必要
夫婦二人で老後の生活を送るにあたって、定年後の収入が月22万円程度の年金のみになると考えた場合、1ヶ月の平均支出との差額はおよそ4万7000円になります。300万円の貯蓄と2000万円の退職金がある場合、100歳まで生きたとしても不足分を補うことは可能です。
しかし、貯蓄や退職金が十分にあっても老後破産に陥るケースはあるため、できるだけ早いうちからさらに貯蓄を殖やす方法を考えておいた方がいいでしょう。
出典・参考
総務省統計局 政府統計の総合窓口e‐Stat 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 表番号4
日本年金機構 大切なお知らせ 2023 4月 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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