更新日: 2024.02.27 セカンドライフ

定年まであと「10年」しかありません。「老後破綻」しないために今からできることはありますか?

執筆者 : 飯田道子

定年まであと「10年」しかありません。「老後破綻」しないために今からできることはありますか?
定年退職の日が近づくにつれ、老後の生活をどのようにすれば良いのか、不安に感じることもあるでしょう。定年まで10年になると、残りが少ないと焦ってしまう気持ちもうなずけます。定年まで10年というタイミングで「老後破綻」しないためには、どのようなことをすると良いのでしょうか? また、そのために心がけておくべきことは何かを考えてみましょう。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

どのような生活を送りたいのか考えてみよう

定年退職後の生活となると、憧れよりも金銭的な不安を感じる人は多いようです。まず、大切なことは、どのような生活を送りたいのかを考えてみることです。
 
具体的には、(1) 仕事について、(2) 生活全般、(3) ライフイベントについて考えてみましょう。

(1) 仕事について

●定年退職後に同じ会社で雇用延長をする
●他の会社に就職する
●自分で起業する
●収入は関係なく、生きがい中心に働く(ボランティア、シルバー人材センター等)
など

(2) 住まいについて

●今住んでいる場所で住み続ける
●住み替えをする
●移住する
●子ども世帯と同居等する
など

(3) ライフイベント

●マイホームのリフォーム
●定期的な旅行
●子どもの結婚や住宅購入時の資金援助
●マイカーの買い替え
など

 

退職後にどれくらいの費用がかかるのかをシミュレーションする

上記の(1)~(3)をもとに、どれくらいの費用がかかるのかをシミュレーションしてみましょう。
 
シミュレーションをするときのコツとしては、収入は控えめに算出し、支出は多めに見積もっておくことです。また、金額を算出するときには、これくらいと思い込みや自分の希望する金額にするのではなく、実際にかかる費用を確認してから算出することが大切です。
 
たとえば(1)の仕事についてですが、仕事をせずに年金のみで生活費を賄うという選択肢もあります。たとえ働き続けたとしても、収入や働き方によって、年金や健康保険料が差し引かれる場合もあります。雇用延長の場合、今よりも収入が下がってしまうことがほとんどです。もし、いくらくらい(何割程度)下がるのかが分かるのなら、そのデータをもとにシミュレーションするようにしてください。
 
(2)の生活全般の場合、住み替えをする場合には、賃貸で引っ越しをするだけなのか、マイホームを買い替えるのか等も考えてみましょう。買い替える場合は、費用を含めて購入予算をいくらにするのかを明確に決めておくことです。
 
売却することで収入も得られるのですが、いくらで売れるのかは分かりませんし、売却に伴う仲介手数料などもかかります。売却で得られると考えられる資金は控えめに見積もることです。今現在、オンライン上で相場等が確認できることはありますが、10年後にどのようになっているのかは分かりません。住み替えを希望するなら、退職前に行ってもいいでしょう。
 
(3)のライフイベントで旅行を盛り込む人は多くいらっしゃいます。どこにどれくらいの期間滞在するのかを決め、ツアー料金やガイドブック等を参考に予算を決めておくと良いでしょう。意外と忘れがちなのがお小遣いや旅行保険等の費用です。旅行保険の保険料は、各保険会社のホームページで確認できますので、予算を決めます。
 
いずれにしても、物価や為替は変動していますので、1年に一度程度、定期的な見直しを行ってください。
 

目標に向かって貯蓄を始めよう

退職後にやりたいことや費用が分かったら、その不足分をどのように補うのかを考えてみましょう。
 
現在の貯金計画で不足となる場合でリタイアを決めているときには、雇用期間を延長してもらう、他社に就職する等、働いて収入を得ることを検討しましょう。
 
現在50歳であれば、定年退職まで10年間は貯蓄に励むのも良いですね。毎月3万円貯金をすれば、1年で36万円、10年で360万円貯めることができます。
 
あわせて、無駄な費用の見直しも行ってください。行かなくなったスポーツクラブ、読まなくなった定期購読の雑誌等があるなら解約します。その他、電気やガス、スマホ等の固定費の料金プランの見直しをしてください。特にスマホの場合、要らないオプションがついていることが少なくありません。見直ししたタイミングでオプションを解除するようにしてみてはいかがでしょう。
 
定年退職後のお金に関する不安を抱えている人は少なくありません。少しでも不安を解消できるよう、できるだけ早く目標を決めて、行動することが大切です。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

ライターさん募集