更新日: 2024.02.29 その他老後

今年の春から新卒社員です。私たちの世代は「年金だけで生活できない」老後が確定しているのでしょうか…。

今年の春から新卒社員です。私たちの世代は「年金だけで生活できない」老後が確定しているのでしょうか…。
若い人の中には将来の年金には何も期待していない、という人も多いでしょう。実際のところ、将来年金をいくらもらえるのかということは、現役時代の収入や年金制度によります。そのため、今の若者が将来年金だけで暮らせるかどうかについて、一概に言うことはできません。
 
そこで今回は、もしも平均的な収入で定年まで働き、現在と同じ額の年金を受給できたなら、老後は年金だけで暮らせるのか詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金は将来いくらもらえる?

まずは年収に関係なく加入期間によって受給額が決まる老齢基礎年金を見てみましょう。令和5年度における老齢基礎年金の満額は年79万5000円です。月あたり6万6250円になります。
 
この老齢基礎年金の満額は平成11年度までは年々増加していましたが、平成15年からは徐々に下がり始めています。平成27年度と令和2年度には少し上がったものの、それでもピークであった平成11~14年度には及びません。景気の状況などによっては、将来はより少なくなる可能性もあります。
 
また、現役時代に厚生年金に加入していた場合には、老後に老齢厚生年金を受給できます。老齢厚生年金は報酬比例部分と定額部分、加給年金額からなっており、その大部分は収入によって金額が決まる報酬比例部分です。報酬比例部分の計算式は、平成15年4月以降の加入期間の場合「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」です。
 
仮に、23歳から65歳までの43年間、令和4年度の日本人男性の平均年収である563万円の収入を得ていたとしましょう。その場合、ボーナスなどがないと仮定すると月収は約47万円となり、平均標準報酬月額も等級26の47万円です。
 
ということは、計算式に当てはめると「47万円×5.481÷1000×43年×12ヶ月」となり、報酬比例部分額はおよそ132万9252円、月あたり11万771円になります。先述した老齢基礎年金の満額と合わせると、約17万7000円が老後の年金収入になります。
 

年金収入約18万円で生活できる?

それでは、年金収入約18万円で老後は生活していけるのでしょうか。総務省が発表した令和2年の家計調査年報によると、65歳以上の高齢者のうち、夫婦のみの無職世帯で毎月の平均支出額は25万5550円、一人暮らしの世帯では毎月14万4687円となっています。
 
どちらも持ち家率の高さが反映されて住居費が低くなっているため、賃貸の人はさらに数万円支出額に上乗せする必要があります。しかし、夫婦であれば毎月およそ25万~36万円、単身者は毎月約18万円を受給できれば、何とか年金だけでも暮らしていける、といえるでしょう。
 

心配な人は早めに対策をとっておこう!

とはいうものの、先述したように、誰にも将来がどうなるかは分かりません。収入が令和4年度の平均額以下になる可能性もありますし、年金制度が改正されて受給額が少なくなってしまう可能性もあります。そのため、心配な人は早めに対策を取っておくことが大切です。
 
たとえば、つみたてNISAやiDeCoを活用して若いうちから老後のための貯金を始めるのもひとつの方法です。つみたてNISAで毎月3万円を3%の利回りで30年間運用した場合、元本1080万円に加えて運用益が668万2107円になるため、合計1748万2107円貯金できます。
 

将来が不安だからこそ早めの対策を!

現在の年金制度の場合、現役時代に平均的な収入を得ていれば、老後も年金だけで平均的な生活ができる可能性は高いです。しかし、誰も自分の将来の収入額がどうなるかは分かりませんし、年金制度が改正される可能性もあります。そのため、将来が不安な人は早めに貯金や資産運用を始め、老後のための蓄えを用意しておきましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
日本年金機構 保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集