更新日: 2024.03.08 その他老後

夫と死別したので一人暮らしです。認知症になったらどうなるのか…… 備える方法を教えてください

夫と死別したので一人暮らしです。認知症になったらどうなるのか…… 備える方法を教えてください
ある程度年齢を重ねると、認知症のリスクが頭をよぎる人は多いのではないでしょうか。一人暮らしともなると、自分一人でさまざまなことができなくなることへの不安はさらに大きいでしょう。
 
認知症で判断能力が低下すると、家族や公的な制度の力を借りなければ、財産管理などが難しくなります。本記事では、認知症になると具体的にどのような問題が起こるのか、どのように備えればよいのかについてまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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一人暮らしの人が認知症になると困ることは?

認知症になると、症状が進むにつれて生活のなかで判断や意志決定を正確に下すのが難しくなっていきます。そのため、一人暮らしなど周囲にサポートをする人がいない状況では、日常生活に支障が出たり事故が起きたりするリスクが高まるほか、次のような問題が起こりやすくなることに注意が必要です。

●金銭などの財産管理が難しくなる
●詐欺や悪質商法などの被害に遭いやすくなる

また、認知症が進み十分な判断能力がない状態だとみなされると、単独では法律行為を行えなくなります。そのため、次のような支障が生じることへの対策が不可欠です。

●介護・福祉サービスの利用や施設入所、入院などの契約手続きができなくなる
●預貯金の引き出しや口座の解約ができなくなる(銀行口座の凍結)
●不動産や金融資産の売買ができなくなる(資産凍結)
●不動産や保険の名義変更手続きができなくなる

特に口座凍結や資産凍結の状態になると、本人が認知症になったあとの資産管理や介護費用のやりくりをする家族が困ることになるため、元気なうちに家族で対策を話し合っておきましょう。
 

認知症になったときに備えられる制度やサービス

認知症になったとき、スムーズに財産管理ができるよう備える方法として、次のような制度やサービスの利用を検討するとよいでしょう。

●任意後見制度
●家族信託
●日常生活自立支援事業

いずれも、認知症を発症したあとの資産や金銭の管理、契約手続きなどの代理やサポートを、家族や第三者に委任・委託できる制度です。それぞれどのような制度なのか、以下で簡単に説明します。
 

任意後見制度

任意後見制度とは、認知症などで判断能力が低下した人の財産管理や法律行為を成年後見人等が法的にサポートし、本人(被後見人)の権利を保護する「成年後見制度」の一つです。任意後見制度の大きな特徴は、本人の判断能力が十分なうちに、サポートをお願いする任意後見人となる人や、委任したい内容をあらかじめ契約で定めておけることにあります。
 
認知症を発症したあとに裁判所が成年後見人を選任する法定後見制度と異なり、契約内容に本人の意志を反映しやすいことがメリットです。一方で、財産は基本的に本人のためにしか使えず、投資など財産が減る可能性のある利活用は難しくなるといった制約もあります。
 

家族信託

家族信託とは、財産の管理・処分を家族に委託する仕組みです。本人が委託者となり財産管理の範囲や内容、管理を委託する家族・親族(受託者)を定めた契約を結んでおくことで、本人が認知症を発症しても、介護費用などの金銭の支払いや資産の運用・処分などを家族が行えるようになります。
 
任意後見制度と似ていますが、契約の内容次第では投資など積極的な資産の利活用が可能であることや、本人以外に関することにもお金を使えることなど、家族信託のほうがより柔軟な財産管理が可能です。一方で、施設の入所手続きなど財産管理以外のことを家族信託で委託することはできません。
 

日常生活自立支援事業

日常生活自立支援事業とは、都道府県や指定都市社会福祉協議会が実施する、認知症高齢者などの判断能力が不十分な方が自立した生活が送れるようにサポートを提供する制度です。日常生活自立支援事業では、利用者との契約にもとづいて、有料で次のようなサポートを行っています。

●福祉サービスの利用援助
●苦情解決制度の利用援助
●住宅の改造や貸借に関する契約の援助
●行政手続きに関する援助
●日常生活費の管理(預金の払い戻し、預け入れ、解約など)
●定期的な訪問による見守り

なお、事業の利用に必要な契約の内容が判断できる状態でなければ、制度を利用できないことに注意が必要です。
 

家族とも話し合って認知症になったときの財産管理に備えよう

認知症を発症すると、もの忘れなどの症状によって、金銭管理など日常生活に支障が出るだけでなく、預金の引き出しやさまざまな契約や手続きなどができなくなるリスクがあります。
 
近くで日常的にサポートをしてくれる人がいない場合は、いざ認知症になったときに備えて、事前にどのように対応するのかを家族と擦り合わせておく必要があるでしょう。任意後見制度など認知症発症前に備えられる制度の利用も含めて、早めに話し合っておくと安心です。
 

出典

厚生労働省 成年後見制度の種類
厚生労働省 日常生活自立支援事業
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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