更新日: 2024.03.12 定年・退職

退職金を使ってマンションを購入し、「住み替え」を考えています。注意点はありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

退職金を使ってマンションを購入し、「住み替え」を考えています。注意点はありますか?
子どもの独立や自身の定年をきっかけに、現在住んでいる戸建てと比較して「交通の便がよい」「階段の上り下りをしなくてよい」などの理由で、退職金を使って、マンションへ住み替える方がいます。
 
この記事では「定年後の住み替え」をテーマにして、そのメリットと注意点についてご紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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マンションに住み替えるメリットとは

野村不動産ソリューションズ株式会社のサイト「ノムコム60→」が行った「60歳からの住みかえ」アンケートによると、60歳以上で戸建てから住み替えをした人のうち、戸建てからマンションに移った人は24%でした。
 
マンションに決めた理由を見てみると「最寄り駅が近い」「生活に便利」「維持や管理が楽」などが上位になっており、利便性が決め手になっていることがうかがえます。
 

マンションのメリット

マンションに移った場合、以下のようなメリットが考えられるでしょう。
 
・メンテナンスが楽
マンションでは、共用部分のメンテナンスは管理会社が行います。屋根や外壁などを修理する際には、戸建てならば、自分で業者を探すところから始める必要があるため、楽になるでしょう。
 
・セキュリティー面で安心
多くのマンションはオートロックになっています。24時間管理人が常駐するマンションであれば、より安心です。
 
・生活するのに便利
都心部や駅の近くにあるマンションであれば、買い物などに困ることが少なくなります。階段の昇降が難しい高齢者でも、エレベーターのある物件ならば、移動にも困りません。
 

退職金で購入するメリット

退職金を活用してマンションを購入すると、次のようなメリットがあります。
 
・ローンの軽減、返済期間の短縮
退職金を頭金として使うことで、住宅ローンの残高が減少します。ローンの返済期間を短縮できて、月々の負担も減らせるため、毎月の生活費に余裕が出るでしょう。
 
・貯蓄を残したまま購入できる
退職金の範囲内で購入できる場合は、貯蓄を残せる点がメリットです。老後資金を用意しながら、住み替えができます。
 

マンション購入時の注意点

定年後のマンション購入および住み替えは、老後の生活を快適にするための重要な決断です。
しかし、資金面や生活面で注意しておくことがあります。
 

資金面での注意点

退職金を全額頭金に充てれば、ローンの金額は減らせます。しかし、定年後に生活資金が不足した場合などに、緊急時の資金確保が難しくなる可能性があるため、注意が必要です。退職金をどの程度頭金にするかは、定年後の生活設計や、資産の状況などを考えて決めるとよいでしょう。
 
またマンションを購入する場合に、必要になるのは購入資金だけではありません。修繕積立金や管理費、固定資産税などのランニングコストも考慮する必要があります。一般的に、定年後は現役時代よりも収入が減る傾向にあるため、ローン返済額や維持費の負担が大きくならないかを、慎重に検討しましょう。
 

そのほかの注意点

一般的にマンションは、戸建てほど収納スペースが多くありません。戸建てからマンションに住み替えると、多くの場合で、荷物を整理して減らす必要があります。
 
しかし、大量の荷物を整理したり処分したりするには、気力や体力が必要です。整理を業者に依頼するケースも珍しくなく、その分の費用がかかることを理解しておかなければなりません。
 
また戸建てとマンションでは、生活のスタイルや住宅の管理など、さまざまな面で違いがあります。一般的にマンションでは、管理組合の運営に参加する必要があり、共用スペースやペットの飼育、リフォームなどについてはルールが決められています。
 
また、マンションは戸建てと異なり、各部屋が上下左右の部屋と接しているため、音や振動が気になるかもしれません。購入前には建物の構造や、防音性能を確認しておくとよいでしょう。
 
こうした面も考慮して、マンションでの生活が自分のライフスタイルや価値観に合っているのかどうかを、購入前によく考えることが大切です。
 

マンションは利便性や安全性などのメリットも! ただし注意点もある

マンションは、利便性やコスト、防犯性、安全性などの面でメリットが大きく、老後の住まいに適しているといえるでしょう。基本的に段差がないワンフロアであり、新しいマンションではバリアフリー設計になっていることも多く、老後の暮らしには安心です。
 
ただし、余裕を持ってローンを返済できるように、資金計画は綿密に行う必要があります。定年後は収入が減ることや、加齢による病気やけがなどによる支出の増加も考えなければなりません。退職金を全額使うことは避けて、維持管理費なども考慮して資金繰り計画を立てましょう。
 

出典

野村不動産ソリューションズ株式会社 ノムコム60→ 「60歳からの住みかえ」アンケート結果発表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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