更新日: 2024.03.12 定年・退職

定年後「子どもの扶養」に入ると、税金はどれだけ安くなる? 年金を「月7万円」受け取る場合、扶養内のパート収入はいくらまでにすべきかも試算

定年後「子どもの扶養」に入ると、税金はどれだけ安くなる? 年金を「月7万円」受け取る場合、扶養内のパート収入はいくらまでにすべきかも試算
定年退職後も、生活費の足しにするためにパートなどで働きたいと思っている方々がいるかもしれません。では、年金をもらいながら子どもの扶養に入れる年収の目安はいくらなのでしょうか?
 
扶養には「所得税での扶養」と「社会保険での扶養」の2種類があり、今回は所得税での扶養についてシミュレーションします。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金をもらいながら働いている人はどのくらいいる?

厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者の収入のうち総所得に占める公的年金などの割合が100%の世帯は44.0%でした。また、1世帯当たり平均所得金額の構成割合は公的年金などが62.8%、働いて得た所得が25.2%となりました。
 
高齢者の1世帯当たり平均所得金額は318万3000円で、このうち公的年金199万9000円・働いて得た所得80万3000円でした。この調査結果から見ると、年金をもらいながら働き、毎月約6万円程度の収入を得ている人が約25%いることになります。
 

子どもの扶養に入れる条件は?

所得税において扶養家族となれる条件は「配偶者以外の親族(親・子)であること」と「扶養をしている人と生計をひとつにしていること」です。親子の住居が離れていても、仕送りなどで生計を維持していれば条件を満たします。
 

子どもの扶養に入れる所得は、年間いくらまで?

扶養家族になれる年間所得は、年金所得(雑所得)と、パートなどの給与所得の合計が48万円以下です。合計所得48万円以下とは、年金収入とパートなどの給与年収の合計から「公的年金控除」と「給与所得控除」を差し引いた金額です(控除とは「あらかじめ差し引く金額」です)。
 
公的年金控除は64歳までと65歳以上によって控除できる金額が違い、公的年金から公的年金控除を差し引いた金額は「雑所得」となります。雑所得を除いて、いくらまで給与収入を得て良いのかシミュレーションしてみましょう。
 

<試算例>

・60歳以上64歳まで、年金収入年間84万円(月7万円)のAさん
年金84万円-公的年金控除60万円=雑所得24万円
扶養所得上限額48万円-雑所得24万円+給与所得控除55万円=給与収入上限79万円
 
・65歳以上75歳まで、年金収入年間120万円(月10万円)のBさん
年金120万円-公的年金控除110万円=雑所得10万円
扶養所得上限額48万円-雑所得10万円+給与所得控除55万円=給与収入上限93万円

 
このように、年金収入と年齢によって給与収入を得て良い金額が変わってきます。60歳定年で64歳までの年金収入が月7万円の場合、パート収入を年間79万円までに抑えると扶養に入れる試算となりました。
 

扶養している家族は、税金がどのくらい安くなる?

扶養親族がいる人は、所得税の扶養控除を申請して所得税納税額を軽くできます。扶養控除は扶養している家族の年齢によって控除額が異なります(扶養には、所得税での扶養と社会保険での扶養の2種類があり、前述した所得48万円以下は所得税での扶養です。今回は所得税での扶養について記載します)。
 
40代以上の子ども夫婦と高齢者の同居4人世帯で、高齢者扶養家族が2人の場合に、扶養家族がいる人の年収によって所得税と住民税はいくら安くなるのか試算すると、図表1の結果になりました(生命保険料控除・配偶者の年収・配偶者控除などは除きます)。
 
図表1

扶養家族なし 高齢者扶養家族2人あり
年収400万円 所得税 8万2000円 2万4000円
住民税 17万4100円 8万4100円
年収500万円 所得税 13万3400円 5万7400円
住民税 24万900円 15万900円
年収600万円 所得税 19万6500円 8万9000円
住民税 30万4000円 21万4000円

筆者作成
 

まとめ

年金をもらいながら働いて扶養家族にもなれる年収は、年齢と年金収入金額によって変わってきます。扶養家族にした人には税金の軽減があり、扶養家族になった人にも税金の負担がないなど双方にメリットがあります。
 
扶養家族になれる期間は75歳までなので、将来に起こり得る介護費用などの出費に向けて給与収入を少しずつ貯蓄しておくことも良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 2022年国民生活基礎調査の概況
国税庁 家族と税
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 No.1410 給与所得控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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