3月29日の退職でも「健康保険の手続き」は必要!? 4月から転職先で働くのですが、「2日」くらいなら手続なしで大丈夫ですよね…?
配信日: 2024.03.21
本記事では、3月29日に退職した場合の健康保険切り替えについて解説します。
執筆者:石上ユウキ(いしがみ ゆうき)
FP2級、AFP
目次
なぜ健康保険の手続きが必要なの?
2024年3月末日で退職する場合、3月29日の金曜日に退職する人が多いでしょう。その場合、4月1日から新しい職場へ行くことが決まっていても、3月30日と3月31日の2日間は健康保険未加入とみなされ、切り替え手続きをしないと退職から転職先への出社日までの間に、健康保険の未加入期間が生まれてしまいます。
健康保険に未加入の場合、医療費を全額負担しなければならないため、この2日間に万が一のことが起こったときに備えて、健康保険の切り替えが必要なのです。
3月29日退職から4月1日入社までの健康保険の手続きフロー
今回は「2024年3月29日に退職、土日を挟んで4月1日から新しい職場へ出社する」例をもとに、退職日から転職先入社日までの健康保険の手続きフローを紹介します。
退職日当日に健康保険への切り替えをする
2024年3月29日に退職する場合の健康保険の切り替えは、選択肢として国民健康保険への切り替えか、退職する職場の健康保険を任意継続するかのどちらかとなります。
任意継続を選択するのであれば、退職日当日に書類提出などを済ませておきましょう。なお、これまでは保険料は事業主と折半で納めていたため、任意継続では保険料がこれまでの2倍かかる点に注意が必要です。
国民健康保険へ切り替えるのであれば、官公庁は週末閉庁しているため金曜日のうちに市区町村窓口へ向かうとスムーズでしょう。金曜日中に手続きできないと、健康保険の未加入期間が発生します。任意継続とどちらが保険料を抑えられるか、事前に確かめておくとなお良いでしょう。
4月1日以降に切り替えた健康保険の脱退手続きをする
3月30日、31日の土日2日間を経て4月1日に新しい会社へ入社してからは、その会社の健康保険に加入することになります。新しい健康保険への加入は会社でしてくれるため、必要な手続きは特にありません。
ただし、3月29日に手続きして切り替えた健康保険の脱退手続きは、自分でする必要があります。任意継続と国民健康保険はどちらも書類での脱退手続きが可能です。提出書類をそろえたうえで、次月の保険料を支払う前に手続きを済ませましょう。
配偶者の扶養に入るのも1つの手
もし配偶者も会社員として働いているのであれば、3月30日、3月31日の2日間だけ配偶者の扶養に入っても良いでしょう。手続きは配偶者がすることとなるため、もし扶養に入るのであれば、必ず配偶者と相談してください。
また、扶養に入るには年収が130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満といった要件を満たす必要があります。該当しないのであれば、任意継続か国民健康保険への切り替えをしましょう。
健康保険以外に手続きが必要なものはある?
退職から転職まで期間が空く場合は、健康保険に加えて国民年金の手続きも必要です。手続きをしないと未納扱いとなり年金を満額受給できません。こちらも退職日当日に市区町村窓口で手続きをしておきましょう。
健康保険はできる限り空白期間をつくらないのがおすすめ
健康保険に未加入とみなされる空白期間は、できる限りつくらないのがおすすめです。国民健康保険は退職翌日から14日以内、任意継続は退職翌日から20日以内に手続きすれば適用されますが、その間に病院等で治療を受けた場合、いったん医療費全額を立て替えなければなりません。
後日お金が返ってくるとはいえ、医療費の全額負担となれば一時的に多額の支出が予想されます。余計な負担を増やさないためにも、転職時の健康保険の切り替えは速やかに済ませておきましょう。
出典
全国健康保険協会 退職後の健康保険について
全国健康保険協会 被扶養者とは?
全国健康保険協会 退職されるみなさまへ
執筆者:石上ユウキ
FP2級