更新日: 2024.04.10 定年・退職

「65歳未満」と「65歳以上」で退職した場合、退職後にもらえるお金が最大「3倍」違う!? それぞれが受け取れるお金を解説

「65歳未満」と「65歳以上」で退職した場合、退職後にもらえるお金が最大「3倍」違う!? それぞれが受け取れるお金を解説
2021年に実施された総務省統計局の労働力調査によると65歳~69歳の就業率は50%を超え、今後も65歳以降に働く人はさらに増えていくことが予想されています。
 
しかし会社側には65歳までの雇用義務しかないので、65歳になるとこれまで勤めていた会社を退職する人が多いのが現状です。
 
65歳以降も働きたいと考えている人が65歳未満で退職した場合と65歳以上で退職した場合で、もらえるお金が最大で約3倍近く差が出る可能性があるのを知っていますか?
 
本記事では、65歳前後で退職した場合に受給できる求職者給付の金額の違いについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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65歳未満の離職者は基本手当を受け取れる

雇用保険に加入している人が離職した場合、条件に該当すれば雇用保険から求職者給付を受けることが可能です。
 
65歳未満の特定受給資格者や一部の特定理由離職者、就職困難者以外の離職者(主に自己都合退職の人)は被保険者であった期間の長さに応じて図表1の日数分の基本手当を受け取ることができます。
 
図表1


ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数より筆者作成
 
被保険者であった期間にもよりますが、65歳未満の自己都合退職であれば90日~150日間の基本手当を受給できます。基本手当を受給するためには原則として離職の日以前2年間に12ヶ月以上(特定受給資格者や特定理由離職者は離職の日以前1年間で6ヶ月以上)の被保険者期間が必要です。
 

65歳以上の失業給付は高年齢求職者給付金を受け取れる

65歳以上で退職すると次の要件を満たす人は基本手当ではなく、高年齢求職者給付金を受給できます。


・離職の日以前1年間に、雇用保険被保険者期間が通算して6ヶ月以上であること
・失業の状態にあること

高年齢求職者給付金の金額は被保険者期間によって次の日数分の基本手当に相当する額とされています。


・被保険者であった期間が1年未満:30日分
・被保険者であった期間が1年以上:50日分

65歳になってから退職した場合、被保険者期間の長さが20年以上でも最大で50日分しか支給されません。
 

基本手当と高年齢求職者給付金の差は3倍近くになる場合もある

仮に20年以上勤めた会社を退職するとして、65歳到達前に退職した場合と65歳に到達してから退職した場合を比較してみます。65歳到達前の退職では基本手当を150日分、65歳到達してからの退職だと高年齢求職者給付金を基本手当相当額を50日分受給できます。
 
求職者給付は退職日の年齢で判断されるので、退職日が1日違うだけで金額が約3倍変わる場合もあります。64歳のときに退職していれば、65歳に到達してからハローワークに求職の申し込みをしても基本手当を受給できます。
 

まとめ

65歳未満で退職すると基本手当を、65歳以上で退職すると高年齢求職者給付金を受給できます。基本手当だと最大で150日分、高年齢求職者給付金だと基本手当の最大50日分相当の給付が受給可能です。
 
ただ65歳直前での退職は自己都合退職扱いになりやすく、基本手当を受給するまでに待機期間満了後2ヶ月~3ヶ月の給付制限期間があります。また基本手当を継続して受給するためには、原則として4週間に1度失業の認定を受けることや認定対象期間毎に2回以上の求職活動が必要となります。
 
高年齢求職者給付金も給付制限がありますが、失業の認定は1回のみで定年退職による会社都合退職となれば給付制限もありません。したがって退職後の求職者給付のことだけ考えるのではなく、給付制限期間や65歳以降の働き方など総合的に判断し、自身にとってより良い判断をすることが大切です。
 

出典

総務省統計局 統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 2.高齢者の就業
厚生労働省ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
厚生労働省ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します 発表資料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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