更新日: 2024.04.12 その他老後
老後は医療費・介護費も増えて収入は限られるので不安しかありません。老後に「支出が減るもの・負担がなくなるもの」ってあるのでしょうか?
本記事では、老後に支出が減るものや負担がなくなるものについて解説します。老後に不安を感じている人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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現役時代と老後での支出の変化
老後を公的年金が受け取れる65歳以上と考えると、収入は公的年金がメインとなり、働き続けたとしても現役時代よりは収入が下がるのが一般的です。
しかし、老後の生活に不安を覚える人が多い一方で、支出に関しても下がったり負担がなくなったりするものが増えるので、極端に生活が厳しくなるということはありません。本項では、具体的に支出にどんな変化があるのか解説します。
老後に支出が減るもの
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)」から、現役時代の50~59歳と比較して、65歳以上の老後に支出が減るものは以下のとおりです。
<50~59歳(現役)と65歳以上(老後)の月間支出額平均>
◆衣服関連(被服および履物)
・現役:1万2207円
・老後:5798円(差額-6409円)
◆交通費・通信費
・現役:5万6663円
・老後:3万31円(差額:-2万6632円)
◆住居費
・現役:1万9481円
・老後:1万6687円(差額-2794円)
住居費の差額はほかの2つに比べて大きくないものの、住宅ローン完済や夫婦2人に適した賃貸住宅へ引っ越しなど、状況によっては大きく変わる可能性があります。
なお、消費支出全体の平均でも、35万9963円(現役)と24万9501円(老後)で差額は-11万462円と大きく減額しています。
また、非消費支出も大きく変化します。現役世帯と老後世帯の非消費支出は、以下のとおりです。
◆非消費支出(税金や社会保険料、借入金利息など)
・現役:11万6740円
・老後:3万1812円(差額-8万4928円)
老後は収入が下がるため所得税や住民税も下がります。一方、社会保険料では年金保険料の納付がなくなるなどが原因で、トータルでは月間8万円以上の差額が発生します。
老後は教育費の負担がなくなるケースが多い
老後は負担が軽減される支出が多くなりますが、全く負担がなくなる支出もあります。それは、子どもにかかる教育費です。
多くの世帯では、子どもが高校や大学を卒業して社会人になると、それまでかかっていた教育費の負担がなくなります。私立大学など高額な教育費がかかっていた場合ほど、教育費の負担がなくなる恩恵は大きいでしょう。
老後の平均的な家計収支
老後の支出は減る傾向にある一方で、収入も含めるとどのような収支になるのでしょうか。同調査によると、65歳以上夫婦のみの無職世帯での平均家計収支は以下のとおりです。
◆実収入
・24万6237円
◆支出
・26万8508円(不足分2万2271円)
老後に増える可能性がある支出
老後は現役時代よりも全体的に支出が減少しますが、個別に見ると増加する可能性がある支出もあります。特に、年齢が上がるにつれて懸念される支出には、医療費が挙げられます。
同調査によると、2人以上の勤労者世帯と65歳以上の夫婦のみの無職世帯における月の平均医療費は以下のとおりです。
●現役:1万4315円
●老後:1万6280円
医療費負担は確かに増えていますが、それほど大きな負担になっていないのは高齢になるほど医療費の負担割合が1~2割に下がることや、高額療養費制度などで負担が軽減されているからだと考えられます。
また、介護費も新たな負担となりますが、介護保険適用で自己負担は軽減され、公的施設や高額介護合算療養費制度などを利用することで大きな負担は避けることが可能です。
老後に増える支出もあるが減る支出も多いので、それほど心配せずに準備をしよう
老後は収入が下がりますが、それ以上に支出も減るため老後の生活費は思ったほど心配しなくてもよさそうです。ただし、老後の収支は平均して赤字傾向にあるため、ある程度の資産がないと厳しい生活になることも事実です。
そのため、なるべく早いうちからNISAやiDeCoで資産を形成する、可能なかぎり仕事を継続する、支出を見直すなどの対策をして老後に備えましょう。
出典
総務省統計局 家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2022年(令和4年) 表番号3
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
厚生労働省 高額介護合算療養費制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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