更新日: 2024.04.19 定年・退職

定年時の退職金の金額はどのように変化しているの?年金制度についても解説

定年時の退職金の金額はどのように変化しているの?年金制度についても解説
定年時にもらえる退職金ですが、年々その額が減少しているといわれています。年金制度の変更なども含め、昔と比べると、退職金と年金だけでは老後を安心して暮らせる保証はなくなってきました。今回は、退職金の金額の遷移や年金制度についても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

退職金制度とは

退職金制度とは、会社の定める一定の期間を働いた方に在職中の業績を加味してお金が支払われる制度です。退職金制度は主に4つの種類が存在し、それぞれの特徴は以下の通りとなります。

●退職一時金制度:退職する際に、企業が定めた退職金が一括で支払われる
●中小企業退職金共済:退職後に、在職中に積み立てた退職金が共済組合から支払われる
●確定給付企業年金制度:退職後に、一定期間にわたり退職金が支払われる
●企業型確定拠出年金制度:企業から受け取る掛け金を、自ら運用する

それぞれ退職金の支払われ方に違いがあり、会社により導入されている退職金制度もさまざまです。
 

退職金の変化

退職金は、昔と比べて数百万円程度下がっているといわれています。
 
令和3年の退職金と平成23年の退職金の違いは、表1の通りです。
 
表1

勤続年数 大学卒業 高校卒業
2011年(平成23年) 35年 2646万2000円 1904万9000円
満勤 2531万3000円 2133万3000円
2021年(令和3年) 35年 1903万3000円 1745万7000円
満勤 2230万4000円 2017万6000円

※厚生労働省 中央労働委員会「賃金事情等総合調査」を基に筆者作成
満勤の場合、大卒では300万円程度、高卒では100万円程度の金額の差があり、もらえる退職金の金額が減少していることが分かります。
 

定年後にもらえる年金受給額

退職金だけでなく、定年後は現役世代に積み立てた年金を受け取れます。年金の受給年齢に関しては、2000年(平成12年)の法改正により、年金が受給できる年齢が60歳から65歳に引き上げられました。また、年金が受給できる年齢が引き上げられたことで、年金を受給できる時期は65歳を基準にして、繰上げるかまたは繰下げるかを自分で決められるようになっています。年金受給の繰上げと繰下げの特徴は、表2の通りです。
 
表2

年金受給時期の繰上げ 「0.4%×繰上げ請求月から65歳に到達する日の前月までの月数」が減額率となる
※昭和37年4月1日以前生まれの方は、0.5%
年金受給時期の繰下げ 0.7%×65歳に到達した月から繰下げ申出月の前月までの月数が増額率となる

※日本年金機構 「年金の繰上げ受給/年金の繰下げ受給」を基に筆者作成
 
例えば、63歳まで繰上げて年金を受給する場合は9.6%の減額(昭和37年4月2日以降に生まれた方)となり、仮に10万円の受給ができる場合は9万400円に減額されます。一方で、70歳に繰下げて受給する場合は42%の増額となり、14万2000円の年金を受給できます。
 

計画的に老後資金の準備を

退職時にもらえる退職金は数百万円程度減少しています。定年後は年金も受給できますが、年金受給の方法によっては、毎月受給できる年金額も減ってしまうおそれがあります。
 
そのため、必ずしも退職金と年金だけで老後資金を賄えるという保証はできなくなりました。現役のうちから、老後必要になる金額を考え、貯蓄も含めて計画的に老後資金の対策をとっていきましょう。
 

出典

厚生労働省 中央労働委員会 平成23年賃金事情等総合調査(確報) 調査結果の概要
厚生労働省 中央労働委員会 令和3年賃金事情等総合調査(確報) 調査結果の概要
日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集