更新日: 2024.04.19 定年・退職
60歳のサラリーマンです。定年後も収入が安定した「正社員」で働くのは難しいでしょうか?
本記事では、定年後の働き方や定年後に正社員として働いている方の割合について解説します。定年後の仕事の選び方についてもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後の働き方
定年後は、再雇用または再就職などの方法で、主に正社員を含め、嘱託・契約社員、パート、アルバイトなどの雇用形態で働いている方が多いようです。
再雇用と再就職の違いは以下の通りです。
●再就職:定年後は前とは違う会社で働くこと
それぞれ、メリット・デメリットがあるため、定年後も働く場合は、ほかの就職方法や雇用形態も含め、自分に合った働き方の選択が重要になります。
定年後に正社員で働いている割合
令和元年(2019年)〜令和4年(2022年)における65歳以上で働いている方の割合を、男女別で表1にまとめました。
表1
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
正社員 | 非正規雇用 | 正社員 | 非正規雇用 | |
令和元年(2019年) | 26.6% | 73.3% | 18.0% | 81.9% |
令和2年(2020年) | 28.0% | 71.9% | 18.0% | 81.9% |
令和3年(2021年) | 29.0% | 70.9% | 17.8% | 82.1% |
令和4年(2022年) | 28.7% | 71.2% | 17.0% | 82.9% |
※公益財団法人 生命保険文化センター「65歳以上で勤めている人はどれくらいいる?」を基に筆者作成
男女ともに約7割以上の方が非正規雇用となっていますが、男性の場合は約3割、女性の場合は約2割の方が正社員として働いていることが分かります。
これらの背景には、高年齢者就業確保措置が関係していると考えられます。高年齢者就業確保措置とは、定年後も安定した雇用を確保するために定められたものです。
定年年齢を65歳以上70歳未満にしている会社は、以下のなかから、いずれかを選択する必要があります。
●70歳までの継続雇用制度を取り入れること
●定年制を廃止すること
●70歳まで業務委託契約を結べるようにすること
●70歳まで事業主主催の社会貢献事業に従事できる制度を導入すること
●70歳まで事業主が委託や出資する団体が行う社会貢献事業に従事できる制度を導入すること
これにより、65歳以上の方でも働きやすい環境が整えられているといえます。
定年後も働き続ける理由
定年後も働き続ける理由は、以下のようなものがあげられます。
●自由に使えるお金が欲しいため
●生きがいを得るため
なかでも、お金に関する理由が多くみられ、定年後の生活資金の不安から何らかの雇用形態で働いている方が多いようです。
60歳以上の単身世帯における1ヶ月の生活資金の目安は15万円程度となっており、貯金100万円では年金受給までの5年間の生活費は賄えません。65歳から年金を受給できると仮定しても、年金だけでは生活費が足りない可能性もあります。
定年が65歳未満の企業で働いている場合は正社員以外の方法での働き方も考えよう
定年後は、雇用形態は正社員ではなく、嘱託・契約社員でやりがいを重視して仕事を選択する方法もあります。
正社員よりも給料が低くなってしまう可能性もありますが、異業種に正社員として再就職するよりも、再雇用で今まで慣れ親しんだ職場で自分のスキルを生かせるほうがよい場合もあるでしょう。
定年後は、仕事での充実感と金銭面での安心感の両軸に重きを置き、体力面や身体的な事情も考慮して、仕事を選ぶことが重要です。
出典
公益財団法人 生命保険文化センター 生活基盤の安定を図る生活設計 65歳以上で勤めている人はどれくらいいる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー