更新日: 2024.04.22 定年・退職

定年後も「年収200万円」は稼ぎたいです。働き過ぎで年金が「減額」されると聞いたのですが、本当でしょうか? 収入を抑えたほうがいいですか?

定年後も「年収200万円」は稼ぎたいです。働き過ぎで年金が「減額」されると聞いたのですが、本当でしょうか? 収入を抑えたほうがいいですか?
近年は定年退職した後も働き続ける人が増えています。年金受給までの間のつなぎや年金では足りない部分の補填として、あるいは社会とのつながりを求めてなど、働く理由は人それぞれですが、収入によっては年金額の一部や全額が「支給停止」されるケースもあるため注意しなければなりません。
 
本記事では、定年退職後に年収200万円稼いだ際の年金受給額について解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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働きながら年金を受ける際に停止される基準とは?

働きながら年金を受け取る場合、在職老齢年金制度が適用され、収入額に応じて年金額が減額されます。厚生年金保険に加入しながら年金を受給する60歳以上の人が対象で、「基本月額と総報酬月額相当額に応じて年金が支給停止」されるため、定年後も働き続ける場合には注意しなければなりません。
 
停止される金額を算出するために必要な「基本月額」は年金額を12で割った金額、「総報酬月額相当額」は毎月の賃金と1年間の賞与を足して12で割った金額です。この基本月額と総報酬月額相当額を足した額が48万円以下であれば年金は満額受給でき、足した額が48万円を超える場合には年金支給の一部または全部が停止されます。
 
例えば、年金額が1年間で120万円なら月額10万円、報酬月額相当額が200万円で月額約16万6000円なら10万円+約17万円=27万円なので支給停止にはなりません。具体的にどれくらいの金額を得られるかについては人によって違いますが、定年後に働く前には年金の基本月額を確認するのに加え、会社に報酬月額相当額などについても確認するといいでしょう。
 

対象となるのは老齢厚生年金だけです

対象となるのは老齢厚生年金だけで、老齢基礎年金は対象外です。老齢基礎年金は、定年後の年収がどれだけ高くても、老齢厚生年金の受給額がどれだけ多くても、支給停止にはなりません。そのため、在職老齢年金の計算にあたっては、老齢基礎年金分を含む必要はありません。
 

支給停止される際にはどのような計算がされる?

支給停止されるのは基本月額と総報酬額月額相当額の合計額が48万円を超えるケースです。48万円を超える場合の停止額の計算式は、以下を参考にしてください。

・支給停止額=(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)×1/2×12

基本月額(10万円)+総報酬月額相当額(50万円)を60万円と仮定した場合、計算方法は以下になります。

支給停止額=(10万円+50万円-48万円)×1/2×12=72万円(月額6万円)

基本月額から支給停止額月額6万円が差し引かれるので、10万円-6万円=「4万円」が年金としての支払金額です。場合によっては働く時間などを調整したほうが毎月の収入が増える可能性もあるため、収入面だけを見れば、基本月額と総報酬月額相当額のバランスを考えて、停止にならない範囲で働くほうがお得といえます。
 

まとめ

近年では定年退職後もバリバリ働きたいと考えている人も多いですが、在職老齢年金を満額受給するためには、基本月額と総報酬月額相当額について把握しておく必要があります。
 
もし効率的に収入を得たいのであれば、再雇用で働く際には先に各種計算をおこない、在職老齢年金が満額支給されるかを確認しておきましょう。
 

出典

日本年金機構 在職 老齢年金の支給停止の仕組み
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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