更新日: 2024.04.26 定年・退職
精神的につらく、仕事を辞めて実家に戻っていました。長期で不在にしていた間に社会保険料の督促がきていて驚いています。支払いの猶予を申告すればよいでしょうか?
本記事では、仕事を辞めても支払わなくてはならない社会保険料について解説します。支払えない場合に利用できる免除・納付猶予制度等についても触れているため、参考にして手続きしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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無職になった際の社会保険料はどうなる?
仕事を辞めて無職になった場合は、これまで加入していた厚生年金や健康保険などの社会保険の資格を喪失します。しかし喪失したまま過ごすのではなく、自ら新たな保険に加入しなおさなくてはなりません。
本項では、仕事を退職した際に加入しなおさなければならない保険について解説します。督促が来るかどうかについても触れているため、参考にしてください。
健康保険
退職後に仕事をしない場合であっても、以下3つのいずれかの方法で健康保険に加入しなければなりません。
・任意継続
・国民健康保険
・会社員や公務員の家族の被扶養者になる
任意継続を選択した場合は、未払いだと納付期限の翌日に任意継続被保険者の資格を喪失するため、督促は来ません。資格喪失した場合は、加入している保険組合より「資格喪失証明書」が発送されるので、証明書を持参して国民健康保険の切り替え手続きを行いましょう。
介護保険料
40~64歳の人の場合、介護保険料は、健康保険料に上乗せされて徴収されます。そのため、介護保険料が未納の場合は国民健康保険から督促状が届きます。国民健康保険料を納付することで、介護保険料も支払えます。
労働保険
労働保険とは、労災保険や雇用保険の総称です。加入できるのは雇用される人のみで、退職時に事業主が資格喪失済みとします。そのため、退職後に督促されることはありません。
年金保険
会社を退職して以降に次の仕事をしていない場合であっても、国民年金に必ず加入しなければなりません。会社を辞めた場合は国民年金に加入して第1号被保険者になるか、配偶者や親など第2号被保険者(厚生年金被保険者)の扶養に入って第3号被保険者になるかを選択します。どちらの選択もしないでいると、「国民年金未納保険料納付勧奨通知」が届く恐れがあります。
国民健康保険料が払えない場合
国民健康保険料が払えない人のために、一部負担金免除・徴収猶予制度があります。これらの制度を利用できる条件や内容は自治体によって違うため、確認してみるとよいでしょう。もし国民健康保険料を滞納してしまうと、以下の対応を取られる可能性があります。
・保険証の有効期限が短くなる
・保険証の返還を求められる
・保険給付が差し止めになる
・財産を差し押さえられる
国民健康保険料を納めないでいると、いざというときに医療費の負担が大きくなってしまったり、財産を差し押さえられたりすることもあります。自治体ごとに用意されている免除・減額・軽減・徴収負担制度を利用するため、居住地を管轄する自治体窓口にて手続きをしましょう。
国民年金保険料が払えない場合
仕事を辞めている間に国民年金保険料の督促が来ても、お金がなく払えないこともあるでしょう。その場合は、「保険料免除・納付猶予制度」を活用しましょう。
保険料免除・納付猶予制度とは、所得が少なく、本人・配偶者・世帯主の所得が基準より少ないもしくは失業した場合に、保険料納付が免除される制度です。保険料免除・納付猶予を受けた場合、10年以内であれば追納することも可能です。追納すれば、老齢基礎年金の受給額を増やせます。
特に手続きせずに未納のまま滞納し続けると、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けられず、将来老齢基礎年金を受けられなくなるかもしれません。また、延滞金が発生しそれでも納付しなかった場合、最終的には財産の差し押さえとなるため、払えない場合は必ず保険料免除・納付猶予制度の手続きをしてください。
退職後は社会保険料納付について確認しよう
仕事を退職後に社会保険料の督促が来たら、納付期限までにすみやかに納付してください。滞納し続けると財産の差し押さえや、延滞金を徴収されるなどの可能性があります。もし納付できない場合は、国民年金と国民健康保険の免除・減額・軽減・徴収猶予といった制度を利用しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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