更新日: 2024.04.26 定年・退職
来年65歳で定年を迎えます。定年後も「月10万円」で働く予定ですが、「持ち家」で年金もあれば妻と2人暮らしていけるでしょうか?
本記事では「定年後の平均年収」「65歳以降の生活にかかる平均費用」、そして「定年後月10万円でも生活していけるのか」について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
定年後の平均年収
定年後の年収がどのくらい減るのか気になる人もいるでしょう。国税庁が公表している令和4年分「民間給与実態統計調査」によると、年齢階層別の給与平均額は図表1の通りです。
図表1
年齢層 | 年間平均給与額 (男性) |
年間平均給与額 (女性) |
年間平均給与額 (男女計) |
---|---|---|---|
50~54歳 | 684万円 | 340万円 | 537万円 |
55~59歳 | 702万円 | 329万円 | 546万円 |
60~64歳 | 569万円 | 267万円 | 441万円 |
65~69歳 | 428万円 | 227万円 | 342万円 |
70歳以上 | 367万円 | 211万円 | 298万円 |
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査を基に筆者作成
図表1より、59歳までは年齢が上がるにつれて平均給与が高くなる傾向にありますが、60歳から70歳以上にかけては下がる傾向にあることが分かります。具体的には、多くの企業で定年となる60~64歳は55~59歳に比べ男性の場合は133万円、女性は62万円、男女平均で105万円年収が低くなっています。
およそ100万円の年収の低下に伴い、今までのような生活を送れなくなるケースがあるかもしれません。生活費を見直すことが大切だといえるでしょう。
65歳以降の平均費用
65歳以降は生活費にどのくらいかかるのか見ていきましょう。総務省が2023年に行った調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は25万959円、社会保険料などの非消費支出を合わせると28万2497円となっています。図表2に支出項目の平均費用の一部を抜粋します。
図表2
支出項目 | 平均支出(月) | 構成比 |
---|---|---|
食料 | 7万2930円 | 29.1% |
住居 | 1万6827円 | 6.7% |
光熱・水道 | 2万2422円 | 8.9% |
家具・家事用品 | 1万477円 | 4.2% |
被服および履物 | 5159円 | 2.1% |
交通・通信 | 3万729円 | 12.2% |
総務省 2023年家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要を基に筆者作成
支出項目の中では「食料」「交際費や雑費を含むその他の消費支出」「交通・通信費」「光熱・水道」の順に支出金額が大きくなっています。また同調査によると、夫婦の実収入は平均24万4580円となっており、収支にすると3万7916円が不足していることが分かっています。
この調査の結果を踏まえた上で、現在の自分の生活の支出と比較し、平均支出よりも多くなっている分については見直してみたほうがいいかもしれません。
定年後の収入が減っても年金と組み合わせれば生活していけるのか
定年後に給与が下がってしまう人は多くいますが、実際に定年後月10万円の収入だった場合、年金を受け取っていれば生活していけるのかを確認しましょう。
65歳以上の平均社会保障給付「21万8441円」に、収入として得た10万円を足すと「31万8441円」になります。この毎月の収入額に対して65歳以降の平均費用「28万2497円」を引くと、「31万8441円−28万2497円=3万5944円」となり、約3万円が余剰資金として確保できそうです。
しかし、突発的なけがや病気による入院・手術、介護にかかる費用などが発生する可能性を考えると、貯金をしておいたほうが安心かもしれません。定年を迎えるにあたり、携帯電話の料金や電気料金などの固定費を見直すことで、余剰資金を多く確保できるようにしていきましょう。
定年後の収入が月10万円になっても年金と合わせれば生活はできる
本記事では、定年後の収入が月10万円になっても生活していけるのかについて解説しました。定年後の平均費用や65歳以上の平均消費支出額を基に、定年後の生活の参考にしてみましょう。
月10万円になった場合、生活をすることはできますが、突発的な病気やけがに対応できない可能性があります。固定費の見直しを行うことで、余剰資金の確保に努めたほうがよいでしょう。
出典
国税庁 令和4年分民間給与実態調査-調査結果報告-
総務省 2023年家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー