更新日: 2024.05.01 定年・退職

「中小企業」と「公務員」の退職金は“倍”以上も違う? それぞれの金額について解説

「中小企業」と「公務員」の退職金は“倍”以上も違う? それぞれの金額について解説
定年退職後、受け取った退職金を老後資金にあてたり、住宅ローンやカーローンの返済に使用したりと、さまざまな活用方法を検討している人も多いのではないでしょうか。
 
退職金の額は勤務先や勤務期間、業務内容などによって一人ひとり異なりますが、民間企業よりも公務員のほうが、退職金が高いといわれることも多いです。では実際にはどのくらいの差があるのでしょうか。本記事では、民間でも特に中小企業と公務員の退職金の平均額を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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民間企業と公務員の退職金について

まずは中小企業と公務員の退職金の平均額を見てみましょう。ただし、特に民間企業では在籍している会社の業種などによっても大きな差が出るため、以下の平均値からは離れているケースもあることも知っておきましょう。
 
中小企業と公務員の退職金は、図表1・図表2のとおりです。
 
図表1

高校卒 994万円
大学卒 1091万8000円

東京都産業労働局 第8表 モデル退職金を基に作成
 
図表2

定年退職 2112万2000円
定年退職(うち行政職俸給表(一)適用者) 2111万4000円

内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況を基に作成
 
このように退職金だけを比較すると、中小企業よりも公務員のほうが高く、その差は倍以上となっています。定年退職後の退職金の使い道について検討しているのなら、あらかじめ自身の退職金がいくらくらいになるのかを把握しておくことが大切です。
 
なお、中央労働員会「令和3年賃金事情等総合調査」によると、大企業の退職金平均額は、大学卒で約2230万円、高卒で約2017万円です(いずれも男性)。大企業の退職金は公務員とほぼ同水準といえるでしょう。
 
もらえる退職金や年金などを参考にしながら、支出と収入のバランスを考えることが大切です。
 

民間企業での学歴と業種別の退職金の違いとは?

民間企業では業種によって最終的な退職金に大きな違いがあると説明しましたが、実際にどれくらいの差があるのでしょうか。
 
以下は中小企業の業種別、学歴別の平均退職金額です。
 
図表3

業種 高校卒 大学卒
建設業 1133万4000円 1220万3000円
製造業 999万6000円 1068万5000円
情報通信業 941万8000円 1192万9000円
運輸業・郵便業 1142万8000円 1332万3000円
卸売業・小売業 1036万1000円 1132万9000円
金融業・保険業 1073万6000円 1442万2000円
不動産業・物品賃貸業 513万6000円 1012万8000円
学術研究・専門、技術サービス業 1026万1000円 964万8000円
生活関連サービス・娯楽業 716万9000円 846万9000円
医療・福祉 332万3000円 342万4000円
サービス業(他に分類されないもの) 995万8000円 904万4000円

東京都産業労働局 第8表 モデル退職金を基に作成
 
このように各業種で退職金に違いがあり、1000万円を超えているケースもあれば、300万円台のケースもあるなどさまざまです。ここに企業ごとの違いが存在しています。
 

まとめ

退職金の平均は中小企業よりも公務員のほうが高く、その金額面だけを見て考えると倍近く多いことがわかりました。一方で大企業の退職金は、公務員と遜色ない平均額となっています。
 
民間企業では業種や会社規模によって金額が大きく変わります。退職金を老後資金や住宅ローンの返済にあてる予定のある人は、定年退職前に自身が受け取れる額を把握しておくといいでしょう。
 

出典

内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況
東京都産業労働局 第8表 モデル退職金
中央労働員会 令和3年賃金事情等総合調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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