更新日: 2024.05.01 定年・退職
現在「課長」ですが、再雇用で部下が「上司」になるのに抵抗があります。とはいえ定年後の「再就職」は年齢的に難しいでしょうか…?
再雇用は同じ会社で働けるのでメリットは多いですが、部下が上司になるといったケースもあるので再雇用を避けたいと考える人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、再雇用と再就職のメリットとデメリットについて解説していきます。どちらが自身に合っているのか、考える参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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再雇用のメリットとデメリット
厚生労働省の集計によると、再雇用・継続雇用制度を採用している企業は70.6%で、その中で65歳以上の希望者を継続雇用している企業は83%になっています。多くの企業で再雇用・継続雇用制度が採用されているので、定年後も同じ会社で働きたい場合は再雇用を選択することもよいでしょう。
再雇用の主なメリットは、「職場環境が変わらずに仕事ができる」、「就職活動の手間を省ける」の2つです。再雇用制度では会社を変えずに雇用されるので、働きなれた職場環境で働くことができます。
新しく人間関係を構築したり、仕事を新たに覚えたりすることが少ないので、ストレスなく仕事ができるでしょう。また、就職活動をする場合は時間と手間がかかりますが、再雇用はその必要がありません。
デメリットとしては、「管理職だった場合は部下が上司になってしまう可能性がある」といった点が挙げられます。再雇用は一度定年退職をして再度雇用される制度なので、定年時に管理職だった場合でも一般職に戻ってしまうケースが多いです。そのため、指導していた部下が上司になることもあります。
再就職のメリットとデメリット
再就職の主なメリットは「新しい職種ややりたかった仕事ができる」、「部下が上司になることがない」といったことが挙げられます。再就職は別の会社に就職するので、新しい職種にチャレンジしたり、やりたかった仕事に就職したりすることが可能です。また、職場環境が変わるので部下が上司になることもありません。
しかし、「就職先が決まらないことがある」といった点はデメリットです。再就職は新たに就職先を探さなければいけないので、就職先が見つからないことも考えられます。
もっとも、事業主は「高年齢者雇用安定法第15条」によって再就職の援助に関し必要な措置を実施するよう努める必要があります。それだけでなく、「高年齢者雇用安定法第17条」によって求職活動支援書を希望する従業員に交付する必要もあるので、再就職の支援も充実してきました。再就職によって定年後に新たなチャレンジをしてみるのもよいでしょう。
収入が減ってしまった場合は給付金制度も
再雇用と再就職はどちらも定年前より収入が減ってしまうおそれがあります。そこで利用したいのが「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」です。
前者は再雇用で、後者は再就職でそれぞれ定年前よりも収入が75%未満になった場合に受け取れる給付金です。それ以外にも要件はありますが、収入が減少した場合は給付金の対象となるか確認してみてください。
定年前からどのように働きたいかを考えておきましょう
定年後も働きたい、働かないと生活できない、といった人も多く、再雇用や再就職をする人は増えてきました。その中で高齢者が働きやすくなるような法整備や事業所、地域の就業支援も行われています。そのため、再雇用か再就職を選択する際は、自身の働き方に合ったものを選ぶことをおすすめします。定年前からどのように働きたいかを考えておきましょう。
出典
厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
ハローワークインターネットサービス 雇用継続給付
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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