更新日: 2024.05.21 介護
父親の介護で働けず、自分の老後資金が全くありません。親の資産をあてにするのはだめですか?
そこで、親の資産をあてにすることが適切な選択肢なのか、メリットやデメリットを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
親の介護と老後資金:親の資産活用はアリ?
親の資産を自分の老後資金として活用することはひとつの選択肢として考えられますが、その前にいくつかの重要なポイントを確認する必要があります。それは、親の老後生活にかかる費用や親の意向、相続の準備などです。一般的に、親の老後生活の計画と準備については、子が30代や40代のうちに考え始めるのが理想といわれています。
これらのポイントはいずれも親としっかり話し合って決めることが大切であり、親の生活状況や健康状態、資産状況なども考慮する必要があります。
自分の老後資金がない! 親の資金をあてにするメリットやデメリット
親からの資金援助を受けることには、メリットやデメリットがあります。主なメリットは、以下の通りです。
・自己負担の軽減
親からの資金援助(贈与)があると、援助を受けた分だけ自己負担を少なくできます。
・返済負担の軽減
資金調達のために金融機関などで借り入れを利用する場合、援助を受けた分だけ借入額を減らせるため、返済の負担を軽減できます。
・相続税対策
「生前贈与」することで、相続税を軽減できる場合があります。また、早めに相続への準備に着手することで、将来的な相続トラブルを防ぐことができる可能性があります。
一方主なデメリットは、以下の通りです。
・贈与税の負担
「贈与」された資金は、その金額に応じた税金(贈与税)が課されます。
親からの資金援助を受ける際に注意すべきポイント
親からの資金援助を受ける際には、以下のポイントに注意することが重要です。
・親の経済状況
親が自分自身の生活費や老後資金を確保しているかどうかを確認することが重要です。また親の経済状況を悪化させてしまうような資金援助は避けましょう。
・家族間の関係
親からの資金援助は、他の兄弟姉妹との関係に影響を及ぼす可能性があります。公平性を保つために、家族全員で話し合って合意を得ることが重要です。
・専門家の意見
親からの資金援助には、税法や相続法などの複雑な法律問題が関わるケースがあります。そのため、必要に応じて税理士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
公的制度を利用して負担を軽減
親の介護で働けない場合に自分の老後資金がないという状況は、非常に厳しいと感じられるでしょう。しかし、以下に挙げる方法を活用すれば、負担を軽減できるかもしれません。
・公的な制度を利用する
介護保険や生活保護などの公的な制度を利用すれば、介護費用の負担を軽減できる可能性があります。
・地域包括支援センターやケアマネジャー(介護支援専門員)に相談する
地域包括支援センターやケアマネジャーは、介護に関する専門的な知識を持っています。自分一人で解決しようとせず、どのような支援制度を利用したらよいのか、専門家に相談することも重要です。
親の資産を活用する際は親の意思を尊重することが大切
親の資産は、あくまでも親のものです。しかし、その資産を親の介護費用や自身の老後資金として活用することは、親が同意すれば問題ないでしょう。
大切なのは、介護や老後資金について親としっかりと話し合い、意思を尊重することです。親が元気なうちに、介護や老後資金について話し合って合意を得ることが重要であるといえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー