更新日: 2024.06.09 定年・退職
60歳になったら「再雇用・月給4割減」になるようです。給料が4割も減ったらどうやって生活していけばよいでしょうか?
その後、年金生活となればさらに生活が厳しくなる方もいます。本記事では老後に必要な生活費や消費支出の金額を紹介するとともに、生活が厳しくなった際の対処法を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後の生活に対して感じている不安
公益財団法人生命文化センターが行った「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、老後の生活に対して不安を感じている人は8割以上いるようです。
不安を感じる理由として最も多かったのが「公的年金だけでは不十分」で、8割近くの人が不十分と感じています。そのほかにも、「日常生活に支障が出る」、「退職金や企業年金だけでは不十分」、「仕事が確保できない」などの理由が挙げられています。
老後に必要な最低日常生活費
同調査によると、人々が考えている日常生活に必要な最低限度の費用は、月額平均で23.2万円です。20~25万円未満が最も多く27.5%、次いで30~40万円未満が18.8%、25~30万円未満が14.4%という結果でした。
老後ゆとりをもって暮らすためにはあといくら必要?
同調査によると、老後ゆとりをもって暮らすためにはあと平均で月額14.8万円は必要と考えている人が多いようです。回答の割合を見てみると10~15万円未満が最も多く31.4%、次いで10万円未満が19.3%という結果でした。
2人以上世帯の消費支出は月額平均25万959円
総務省統計局が発表した「家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出が月額平均25万959円でした。
65歳以上の単身無職世帯では、消費支出が月額平均14万5430円です。
老後の生活が厳しい場合の対処法
60歳で再雇用・月給4割減となった場合、手取りが約40万円だった人は約24万円、手取りが約30万円だった人は約18万円まで減少します。
ここでは、60歳で再雇用となり給与が減った際や、年金暮らしになり老後の生活が厳しいと感じた場合の対処方法を紹介します。
固定費の節約を意識する
老後の生活が厳しい場合は、まず固定費の節約を意識しましょう。まとまった金額の支払いがある項目から見直していくのがポイントです。賃貸で暮らしている場合は家賃の安い住宅に引っ越しできるか検討してみましょう。
子どもが成長して家を出て行き、使わない部屋がある場合は、部屋数の少ない賃貸に引っ越すことで家賃の削減が可能です。電気代や通信費もまとまった金額の節約ができる可能性があります。
固定費を見直して毎月3万円の生活費が削減できれば、年間で36万円自由に使えるお金が増えます。すでに固定費の見直しを行っており、削減できる項目がなければ、ほかの方法を検討しましょう。
定年後も働き続ける
老後に受け取る年金だけでは生活が厳しいという場合は、別の収入源を作る必要があります。定年後も働き続ければ収入を得られるため生活費の確保が可能です。働いている会社で再雇用制度があれば利用するのも一つの手段です。
ただし、再雇用前より給料が低くなるケースがほとんどのため注意しましょう。
子どもに余力があればサポートを受ける
健康上の理由で働けない場合や、配偶者がなくなり受給できる年金額が減ってしまった場合は、子どもにサポートしてもらえるか相談するのも一つの手段です。子どもに余力があれば仕送りをしてもらったり、同居して生活をサポートしてもらったりしましょう。
子どもが親と同居して親の生活費を負担する場合、子どもは扶養控除を受けられます。親は老人扶養親族の同居老親に該当するため控除額は58万円です。なお、扶養者は同居していなくても生計を共にしていることが証明できれば控除を受けられます。子どもにとってもメリットがあるため、一度相談してみるとよいでしょう。
生活を安定させるためには老後も働き続けたい
定年後も生活を安定させるためには、働き続けるのも一つの手段です。再雇用制度を利用すると、給料は減ってしまいますが、同じ仕事を続けられるメリットがあります。
また、安定して収入を得られるでしょう。固定費の節約や子どもからサポートを受けることも考えつつ、老後の生活費を確保できるようにしましょう。
出典
公益財団法人生命文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
総務省統計局 家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要
国税庁 No.1182 お年寄りを扶養している人が受けられる所得税の特例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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