更新日: 2024.06.22 セカンドライフ

「定年後は海外でゆっくり」はもう不可能?「1ドル160円」の時代、海外で暮らすならいくら必要なの?「タイ」を例に移住費用を検証

「定年後は海外でゆっくり」はもう不可能?「1ドル160円」の時代、海外で暮らすならいくら必要なの?「タイ」を例に移住費用を検証
定年後は海外で悠々自適に過ごしたいと考えていたが、最近の円安や物価高の影響から海外移住は難しいと考える人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、定年後に余裕を持って海外で過ごすことはできるのか、海外移住にはどのくらいの資金が必要なのかなど、定年後の海外移住について解説します。

「定年後に海外でゆっくり」は難しい?

物価が安い国であれば、定年後に海外でゆっくり生活するのも夢ではありません。
 
物価が安い国であれば、交通費や食費、家賃などの生活にかかる費用を抑えられるため、海外で余裕をもって生活できるでしょう。
 
物価が安く移住先としておすすめの国には、比較的治安の良い「タイ」や温暖な気候が魅力的な「ポルトガル」、また日本から近く移住しやすい「マレーシア」などが挙げられます。
 
海外に移住するなら、生活費を減らして老後の貯蓄の減少を抑えることで余裕のある生活に近づけられるため、物価高の時代に定年後を海外でゆっくり過ごすには物価の安い国を選ぶのがおすすめです。
 

海外移住にはいくら必要?

海外移住に必要な費用には、生活費や移動費だけでなく、住まいの初期費用やビザの取得費などが挙げられます。
 
タイを例に海外移住に必要な金額を試算した結果は次の通りです。
 
タイの1世帯当たりの平均支出額は月約10万円です。一方、総務省の家計調査報告によると、日本の2023年の65歳以上の平均実収入は、夫婦のみ無職世帯で月24万4580円、単身無職世帯で12万6905円なので、貯蓄をしながらでも余裕を持って生活ができるでしょう。
 
移動費や家賃などの初期費用は、タイなどの物価が安い国であれば20万~50万円程度、アメリカなどの先進国なら50万~100万円程度が相場といわれています。
 
海外移住にはビザが必要です。ビザの種類によって金額はさまざまですが、タイの場合は、定年後の移住に人気な「リタイアメントビザ(ノンイミグラント O)」なら1万円(有効期限3ヶ月)、または4万4000円(有効期限5年)です。
 
「1ヶ月分の生活費」「移動費や初期費用」「ビザ取得費」を考慮すると、タイへの移住には28万~62万円ほどの資金が必要だと分かります。
 
物価の高い国では生活費だけでも月に40万円以上かかることもあります。物価の高い国に移住する場合は、試算した金額の倍近く費用が必要になる可能性があるため、移住先を決める際は必要な資金に注意してください。
 
また、最低生活費以外にも生活防衛費として、月の生活費の3ヶ月から6ヶ月分の貯蓄をしておくことも大切です。
 
海外移住に必要な費用は国によってさまざまですが、タイの場合は最低で28万円が必要となり、物価が高い国ではさらに倍近くの資金が必要となることもあるため、移住資金はなるべく余裕を持って用意しておきましょう。
 

まとめ

一時は1ドル160円を記録するなど円安傾向にありますが、定年後に海外でゆっくり過ごすなら、物価が安い国へ移住することで、出費を抑えて生活ができるため余裕を持った生活ができるでしょう。
 
海外移住に必要な費用には、生活費や移動費だけでなく、住まいの初期費用やビザの取得費などがあり、物価が安い国なら30万円ほどの資金があれば移住が可能です。
 
物価が高い国へ移住する場合は生活費だけでも40万円以上かかることがあるため、必要な資金なども考慮して移住先は慎重に決めましょう。
 
海外移住に必要な費用は国によってもさまざまですが、定年後に海外でゆっくり過ごすなら、最近の円安傾向なども注視しながら、移住資金はなるべく余裕を持って用意しておくことが大切です。
 

出典

タイ国家統計局
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要
在福岡タイ王国総領事館 ノンイミグラント-O(年金受給者/リタイアメント)
在福岡タイ王国総領事館 ノンイミグラント-O-X(ロングステイ10年)
 
執筆者:梅井沙也香
FP2級

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