更新日: 2024.06.25 定年・退職
共働きの息子夫婦のために58歳で退職を検討中。孫の面倒のために退職するのは間違っているでしょうか?
早期退職にはメリットもありますが、安易に早期退職をしてしまうと、将来の老後生活が苦しくなってしまうリスクもあるため、注意が必要です。
今回は、50代での離職率やその理由、早期退職のメリット・デメリットを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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50代の離職率
厚生労働省が公表している令和3年の雇用動向調査結果の概況によると、50代の離職率は表1の通りです。
表1
年齢 | 離職率 | |
---|---|---|
男性 | 女性 | |
50〜54歳 | 5.6% | 10.2% |
55〜59歳 | 7.9% | 9.1% |
計 | 13.5% | 19.3% |
※厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」を基に筆者作成
男女で見ると、男性で約1割、女性で約2割の離職率となっています。また、男性よりも女性の方が50代での離職率は高く、そのなかでも50代前半での離職率が高い傾向にあるようです。
50代で離職する理由
同調査の50代の男女が離職した理由を見ると、職場の人間関係や労働時間、休日条件への不満などの個人的な理由をあげられている方が多いようです。また、男性の場合は、個人的理由以外にも会社都合での離職の割合も高い傾向にあります。
女性の場合は男性と同様に定年や会社都合の離職に加え、介護や看護などで離職している方の割合もほかの年代と比べて高くなっています。
早期退職するメリット
早期退職すると、以下のようなメリットが考えられるでしょう。
●退職金が増える可能性がある
●新しくキャリアをスタートできる
会社によっては福利厚生の一環として早期退職制度を設けているケースがあります。早期退職制度とは定年を待たずに会社を退職し、その分退職金の割り増しが受けられたり、有給休暇を買い上げてもらえたりする制度のことです。
退職金の割増額は年齢や勤続年数、月給の一定期間分の上乗せなど、会社によって算出方法は異なるため、早期退職を希望する方は事前に会社に問い合わせてみましょう。
また、早期退職すれば若い時期から新しいキャリアをスタートさせられます。これまでの経験を生かしてステップアップを目指したり、以前よりも高収入の仕事に就けたりする可能性もあります。
会社によっては再就職支援サービスなども行っているため、うまく活用できればスムーズに転職できるでしょう。
早期退職するデメリット
早期退職する際は、メリットだけでなくデメリットも考慮する必要があります。考えられるデメリットは以下の通りです。
●収入がなくなる可能性がある
●再就職が難しくなる可能性がある
●年金が減る可能性がある
早期退職すると、これまであった毎月の定期収入がなくなるリスクもあります。もし仮に家族が退職後の自分を養ってくれるのであれば問題ありませんが、そうでなければ一時的には退職金で生活できたとしても、一定の収入がないと将来の老後生活が苦しくなってしまうでしょう。
会社の再就職支援サービスを利用しても必ず希望の仕事が見つかるとも限らないため、次の仕事がなかなか決まらないことも想定されます。また、会社員の場合は本来定年まで支払うはずだった厚生年金保険料納付がなくなり、将来受け取れる年金額が減ってしまう可能性もあるのです。
将来の自分の老後生活を考慮したうえで退職するか検討しよう
早期退職は退職金の増加や新しいキャリアスタートをきられるメリットはありますが、定期的な収入がなくなったり、将来もらえる年金が減ったりするリスクもあります。
もし仮に家族が自分の生活費を賄ってくれれば、早期退職をしても問題ないですが、それが難しい場合は、家族の事情に合わせて無理に早期退職する必要はないでしょう。まずは自分の将来のことを優先して考え、家族と相談しながら早期退職をするかどうかを検討してみてください。
出典
厚生労働省-令和3年雇用動向調査結果の概況- 図4-1 年齢階級別入職率・離職率(令和3年(2021)・男) 図4-2 年齢階級別入職率・離職率(令和3年(2021)・女)(13ページ) 表6 転職入職者が前職を辞めた理由別割合(17ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー