老後生活は30年で「1000万円」程度の不足が生じる!?「リタイア貧乏」を防ぐには?

配信日: 2024.07.12 更新日: 2025.10.21
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老後生活は30年で「1000万円」程度の不足が生じる!?「リタイア貧乏」を防ぐには?
定年後は退職金と年金を受け取って、ゆっくりと老後生活を送りたいと考えている人もいるでしょう。しかし浪費によって退職金や老後資金を使い果たしてしまい、貧乏な生活を送る、「リタイア貧乏」になるケースもあるようです。なかには退職金を旅行に使い切って、老後資金がなくなってしまうこともあるようです。
 
そこで今回は、退職金の平均支給額と老後に必要な生活費を比較してみました。リタイア貧乏になる原因と対策もご紹介しますので参考にしてみてください。
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退職金の平均支給金額は?

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職者一人あたりの平均退職給付額は表1の通りです。
 
表1

大学・大学院卒業
(管理・事務・技術職)
高校卒業
(管理・事務・技術職)
高校卒業
(現業職)
定年 1896万円 1682万円 1183万円
会社都合 1738万円 1385万円 737万円
自己都合 1441万円 1280万円 921万円
早期優遇 2266万円 2432万円 2146万円

 
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」を基に筆者作成
 
同調査から、退職理由や学歴にもよりますが、退職金は737万円~2432万円ほどもらえる可能性があると期待できます。ただし退職金制度を導入していない会社もあるため、各自の状況に応じて退職金の有無や金額の目安を知っておくと安心です。
 

退職金や年金だけで老後資金は賄える?

退職金および年金だけで老後資金を賄えるか疑問に思う方もいるでしょう。総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の世帯では、実収入と消費支出および非消費支出の差額で以下の金額が不足するとのことです。

・高齢単身無職世帯:3万768円
 
・夫婦高齢社無職世帯:3万7916円

毎月の収支が3万768円~3万7916円の赤字となり、同じ状況が20年続くと738万4320円~909万9840円、30年で1107万6480円~1364万9760円の不足が生じることが分かります。自身がもらえる予定の退職金や年金の金額、および生活レベルによっては、退職金だけで老後資金を賄えない可能性があるといえます。
 

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リタイア貧乏になる原因と対策

リタイア貧乏になる原因と対策をまとめると以下の通りです。

・十分な貯蓄がない

定年後は現役時代と比較して収入が大幅に減少する傾向にあります。定年後は貯蓄を切り崩しながら生活することになる可能性があるため、十分な貯蓄がない家庭はリタイア貧乏になるおそれがあるでしょう。高齢になると医療費や介護費の負担も増えることが考えられるため、想定外の支出にも備えておくことが大切です。
 
リタイア貧乏にならないために、退職金はご褒美として旅行などに使うのではなく、老後資金としてある程度は残しておくといいでしょう。住宅ローンを組む場合は、完済年齢が定年より後になって、退職金で残債を一括返済するケースなども考えられますが、貯蓄が少なければ定年後の生活が苦しくなるため注意が必要です。

・現役時代と変わらない生活をする

旅行や車の所有、外食やぜいたく品の購入など、現役時代と変わらない生活をしていると、リタイア貧乏に陥る可能性が高くなります。現役時代はある程度の浪費をしても「今月は貯金ができない」といった程度で貯蓄を崩すまではいかないかもしれません。しかし定年後に収入が大きく減少すると、浪費を繰り返すことで貯蓄が徐々に減っていくでしょう。
 
リタイア貧乏の対策として、定年前に老後の生活を想定して、固定費を見直すなど収支を把握しておくことは大切です。子どもたちが家を出て広い家に住む必要がなくなれば、家賃の低い家に引っ越せるかもしれません。車を使う頻度が少なくなっていれば、思い切って手放すことで、維持費を節約できます。
 

老後生活は30年で1000万円程度の不足が生じる可能性が! 退職金や年金だけでは賄えない事態に備えておくことが重要

老後生活の平均的な収支を見てみると、1ヶ月で3万768円~3万7916円の赤字となり、同じ状況が30年続くと1107万6480円~1364万9760円の不足が生じることが分かりました。退職金の平均金額は737万円~2432万円ほどであることから、生活レベルや退職金・年金の額によっては老後生活を十分に賄えない可能性があります。
 
リタイア貧乏にならないために、十分な貯蓄がない場合は退職金を老後資金に充てることを検討できます。長年の労働のご褒美として旅行へ行ったり、住宅ローンの残債を一括返済するために使ったりすると、貯蓄額によってはリタイア貧乏に陥る可能性が高まります。また家賃の低い家への引っ越しや車を手放すなど、現役時代とは生活が変わることを理解したうえで老後生活に備えるようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況(17ページ)
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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