60代、夫婦で「築40年」の戸建てで暮らしています。今後を考えると売却して「アパート」に移り住むべきでしょうか? 今さら建て替えももったいないと感じます
配信日: 2024.10.05
本記事では、それぞれのメリットとデメリットを確認します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
建て替えはもったいない?
退職金や現役時代に貯めたお金を使えば建て替える資金は確保できそう、あるいは一括で支払うにはお金が足りなくても土地を担保にローンを組めば賃貸の家賃くらいで立て替えられるかもしれない、という人も多いのではないでしょうか。
しかし、現役時代にローンを完済できていたと仮定しても、わざわざローンを組んでまで建て替えるには正直もったいないと感じる人もいるでしょう。それであれば今の住まいを売却して賃貸アパートなどに住み替え、売却した資金で悠々自適に生活するのも一考です。
いろいろと考えを巡らせてしまうと、何が最適な選択なのかわからなくなってしまいますね。
老後の住まい、3つの選択肢のメリットとデメリット
住まいについての3つの選択肢について、それぞれのメリットとデメリットを考えていきましょう。問題を明確にすることで、最適な選択肢が見えてくるかもしれません。
いま住んでいる家に住み続ける
お金をかけずに住み続けるのなら、手をかけずに現状維持をするのも1つの選択肢です。必要なメンテナンスは都度発生しますが、お金をそれほどかけずに住み続けることができます。その場合、突然大きな出費が発生する可能性はありますし、年齢によってはローンを組めなくなる可能性も高くなりますので、備えておく必要があります。
建て替えやリフォームをする
今回の相談のように、一度家を取り壊して夫婦で住みやすい広さに建て替えたり、劣化した設備や資材などをまるっと入れ替えるリフォームをしたりするのも1つの方法です。最大のデメリットは費用がかかることですが、老朽化した家をリフレッシュしたり新品にしたりすることで故障などのリスクを抑えられるというメリットもあります。
また、将来に備えてバリアフリー化して生活環境を改善するというメリットもあるでしょう。
賃貸物件に移り住む
自宅を売却できるのであれば、売却してアパートなど賃貸住宅に移住するのも1つの方法です。老後資金としてまとまったお金を確保できることがメリットですが、年齢によっては賃貸物件を借りられない可能性も出てきます。
居住地域によって選択肢は変わってくるはず
前項で提示した選択肢は、夫婦で住んでいる地域によってそれぞれのメリットとデメリットが大きく変わることもあります。以下で大きく変わる条件、また考え方を変えてみることに対するヒントを提示します。
首都圏・都市部なら売却も一考
自身や配偶者に万一のことが起こった時、その財産を受け継ぐ「相続」の手続きが発生します。子どもが2人以上いる場合、自宅など不動産があると争いごとに発展する可能性も想定されます。
自宅を相続させたいと考える場合、土地建物に相当する金額を用意できるのであればもめ事は避けられますが、それが厳しい場合は現金化して平等に分けられるようにするのも一考でしょう。
子との同居も視野に入れてみる
子どもと相談することが必須となりますが、建て替えをするのであればいっそのこと2世帯住宅にするなど同居を視野に入れるのも1つの方法です。子どもが近隣に住んでいる、持ち家を持っていない(あるいは手放す)といった条件も必要となりますが、親子ローンなどを活用すれば子どもの物件取得の費用やローン負担を減らすこともできるでしょう。
いずれにしても、独断で決定するのではなく、家族で相談のうえ決めることを強くおすすめします。
執筆者:宇野源一
AFP