年金「月6万円」の生活で貯金も底が見え始めました…子どもに迷惑をかけずに「生活保護」を受けられるのでしょうか?

配信日: 2024.10.06

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年金「月6万円」の生活で貯金も底が見え始めました…子どもに迷惑をかけずに「生活保護」を受けられるのでしょうか?
年金で生活を送っている人の中には、毎月の生活費を賄いきれずに貯金を切り崩しているケースがあるかもしれません。そのうち貯金の底が見え始めてしまい、今回の事例のようにどのようにすべきか悩んでいる人もいるでしょう。
 
自身の資産や能力などをすべて活用してもなお生活が困窮し、息子や娘など身内にも頼れない状況なのであれば、生活保護の申請ができる可能性があります。ただし、申請にはさまざまな条件が設けられているため、これらを把握しておかなければ、申請がスムーズにいかないケースも考えられるでしょう。
 
今回は生活保護の受給条件や最低生活費の決まり方、生活保護の申請窓口や申請の流れをご紹介します。
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生活保護の受給条件

生活保護を受給するには、一定の条件を満たす必要があります。具体的な金額などについては明記されていないものの、以下の要件が厚生労働省の生活保護制度に関する資料に掲載されていました。
 

・ 不動産、自動車、預貯金等のうち、ただちに活用できる資産がない。
・ 就労できない、又は就労していても必要な生活費を得られない。
・ 年金、手当等の社会保障給付の活用をしても必要な生活費を得られない。

 
なお、不動産や自動車については、例外として所有が認められるケースもあります。例えば不動産を手放すと住む場所がなくなってしまったり、車を手放すと交通手段がなくなってしまったりなどが考えられるでしょう。
 
生活保護については、「扶養義務者からの扶養は保護に優先される」としています。そのため、子どもや兄弟など親族から援助を受けることができる場合は、まずそれらの人に援助を受けることが前提となっています。
 
また、年齢にもよりますが、働ける能力がある場合は、自身でアルバイトやパートなどに出る必要もあるでしょう。さまざまな条件を満たしたうえで、初めて生活保護を受給できる可能性があるといえます。
 

最低生活費はどのようにして決まる?

生活保護では、収入が最低生活費に満たない部分が保護費として支給されます。最低生活費は居住地域や年齢、家族構成などによって異なるため、まずは自分の最低生活費がおおよそいくらなのかを把握するとよいでしょう。
 
例えば60歳で東京都八王子市に1人で住んでいると仮定した場合、厚生労働省によれば、まず住んでいる地域の級地は「1級地-1」に該当します。年齢が60歳の場合は4万6930円が生活扶助基準(第1類)となり、生活扶助基準(第2類)では世帯人員1人の2万7790円が適用されます。
 
上記に加えて障がいを持っている場合、加算額は最大で2万6810円です。また、実際に支払っている家賃・地代がある場合は、基準額の範囲内で実費相当が住宅扶助として支給されます。さらに介護費用や医療費がかかった場合はそれらを計算し、最低生活費が決まると理解しておきましょう。
 
今回のケースだと最低でも7万4720円が生活扶助基準額となり、仮に収入が年金6万円のみの場合は、これに満たないと考えられます。
 

生活保護の申請窓口や申請の流れは?

生活保護の相談および申請窓口は、現在住んでいる自治体の福祉事務所の生活保護担当となります。市部や区部の場合はそのまま市区が、町村部では都道府県が設置しています。
 
生活保護を受けるには、まず窓口で事前相談を行いましょう。担当者が内容を確認し、受給が必要と判断された場合は、保護の申請を案内してもらえます。申請後は保護の決定のために実地調査や資産調査などが行われ、支給が必要と判断された場合は、生活保護を受給可能です。
 

生活保護を受けるにはさまざまな要件を満たす必要がある

生活保護を受けるには、さまざまな要件を満たさなければなりません。具体的には保有資産で売却できるものがないか、働けないかなどがあげられるでしょう。
 
これらを満たしたうえで、なお最低生活費を下回る収入の状態であれば、初めて生活保護が受けられる可能性があります。細かな規定もあるようなので、不安なのであれば、一度生活保護の申請窓口へ問い合わせてみるとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 福祉・介護 生活保護制度
厚生労働省 生活保護制度の概要
厚生労働省 級地区分(平成25年4月1日現在)
厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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