更新日: 2024.10.21 定年・退職
定年退職が近づいてきました。定年退職後の生活を考え始めたら、まずするべきことはなにかありますか?
そこで今回は、退職後の生活のことが気になりだしたらまずやってほしいことをお話ししていきます。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
退職後の日々のスケジュールを想像する
退職するまでの日常のスケジュールは、多くの人が平日は仕事、休日は趣味や体を休めること、といった大枠のスケジュールで生活していると思います。ところが、退職後はすべてが休日です。そのため、その毎日の時間の使い方を考える必要があります。
退職後も働くという人は、退職後のスケジュールは退職前とあまり変わらないかもしれません。しかし、例えば「週5日、9~17時まで」という働き方から、「週3日、9~15時まで」という風に働き方を変える選択肢もあるかもしれません。
退職後は働かないという人は、退職前とスケジュールは大きく変わるでしょう。それまで働いていた時間がすべて空き時間になるわけですから、その空き時間に何をするかを考える必要があります。
もちろん、しばらくは何もしない時間を過ごすこともよいでしょうし、仕事からの解放ということで旅に出るなど、楽しい時間を過ごすのもよいでしょう。しかし、それだけではそのうち時間を持て余すことになってくる可能性が高いです。日々の過ごし方を大まかでもよいので、想像してみてください。
お金の収支を把握する
スケジュールを立てたことにより、退職後の生活の流れが分かるようになります。次に考えることは、その立てた生活に沿った収支を確立できるのか、ということを確認してください。
●老齢(基礎・厚生)年金
●企業年金
●iDeCo
●個人年金
●給料
●副業収入
など
まずは、自分自身にどういった収入があるのかを把握し、そのうえで収入金額がいくらぐらいになるのかを調べておきましょう。「老齢(基礎・厚生)年金」は「ねんきん定期便」等で、「企業年金」は「勤務先」に、「iDeCo」は「マイページや届く書類」から、「個人年金」は「保険会社」になど、収入金額の確認をそれぞれしておくべきです。
●生活費
●保険料
●不動産関連費(家賃等)
●車関連費(駐車場代や車検代等)
●趣味関連費(趣味代や旅行代等)
など
まずは、今の家計の内訳を知ることが第一歩です。今の家計が把握できていないと、退職後の家計を考えることができません。そのうえで、退職後に家族構成が変わる(子が就職して家を出る等)などの変更があるのであれば、その分の生活費はなくなるといった、支出に関する変更点を考慮に入れることも必要になります。
退職後のスケジュールと収支を考えて不安をなくしていく
退職という人生の大きな節目を迎える前は、楽しみと不安が混在した時期です。だからこそ、できることから行動して、少しでも不安は減らしておきたいものです。そのため、まずは退職後の生活リズムを把握し、それに伴う収支を考え、退職後の生活が成立するのか、ということを考えます。
そのうえで、もし退職後の生活が成立しないかもしれないと判断するのであれば、働き方を考えたり支出の見直しを考えたりするなど、対策を講じていく必要があります。
対策といわれると多くの人は支出ばかりを気にして、「何を節約して何を我慢しないといけないのだろうか」などと悩むでしょう。しかし、支出より前に考えないといけないことは、収入だと思ってください。
収入の内容・金額を調べることにより、「意外と収入がある」「思っていたより収入が少ない」と知る人も多いので、まずはその確認を大切にしてください。支出は、ある程度までは減らすことは可能ですが、一定額は必ず必要となります。
退職後の生活は、今まで頑張ったことに対するご褒美だと思い、不安材料は退職する前に確認し、解消できることは解消しましょう。退職する前に問題点が分かれば、対策は可能です。ぜひ、退職する前にやってみてください。
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士