更新日: 2024.11.02 介護

老後の生活設計で大切なこととは? 介護が必要になった場合を想定し「在宅での暮らしか、施設での暮らしか」をイメージすることから始めよう

老後の生活設計で大切なこととは?  介護が必要になった場合を想定し「在宅での暮らしか、施設での暮らしか」をイメージすることから始めよう
介護では生活上の課題があり、「どこで、だれと、どのように」暮らすかを想定することが介護対策の鍵になります。
 
本記事では、介護が必要になった場合に「どこで」暮らすかについて、具体的に考えていきましょう。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

退職後のライフステージ上の課題

まず、老後の人生設計(ライフプラン)を考える際のポイントを紹介します。
 
一般的には、私たちは退職後にいわゆる「老後の生活」に入っていきます。「退職しても健康であれば働きたい」という考え方はさておき、いずれ医療や介護のお世話になることを想定し、死に至るまで「どこで、だれと、どのように暮らすか」を考えることは、老後の人生において極めて重要な課題といえるでしょう。
 
図表1

図表1

※筆者作成
 

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介護が必要になった場合、「在宅か施設か」の2択になる

ライフステージ上の課題のなかでも「どこで暮らすか」という点は、「生活拠点をどこに置くか」という意味で、とても重要な項目といえます。
 
介護が必要になった場合、おそらく多くの人が「自分の住み慣れた家で暮らしたい」と考えることでしょう。つまり、「在宅」という選択肢は当然のことながら存在します。
 
一方で、実際に介護が必要になった場合、在宅での生活が難しくなり「施設」で暮らすことを考える人もいます。例えば、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホーム、ケアハウス、介護医療院などです。
 
このようにさまざまな種類の施設があるため複雑に見えますが、端的にいえば「在宅での暮らしか、施設での暮らしか」を選ぶことになります。そのうえで、医療保険制度や介護保険制度などの社会保障制度を活用しながら、老後の暮らしを営んでいきます。例えば介護保険制度の活用でいうと、「在宅介護か、施設介護か」の違いです。
 
昨今では老後の暮らしに対する不安から、漠然と「お金をためたい」というニーズが高まっているように感じますが、まず「どこで暮らすか」を想定しなければ、具体的な貯蓄額のイメージが湧かないのは当然といえるでしょう。
 

まとめ

個々の施設については紙面が長くなるため、今回の記事では言及しませんが、「老後の暮らしは、在宅か施設かの2択である」ということが伝わればよいと考えています。これについては、「当たり前のこと」と思う人もいるかもしれません。
 
しかし、相談者からの相談に応じていると、この点についてそれなりにイメージできている人は、少ないように見受けられます。
 
「そのときにならないと分からない」と言われることもありますが、「そのとき」のことを想定するのがライフプラン・シミュレーションです。老後の暮らしにおいては、在宅で暮らすかそれとも施設で暮らすか、大まかなイメージが伴わなければ、暮らしや家計における課題の解決が難しくなります。
 
決め打ちはよくありませんが、おおよその可能性を探ることはできるため、ある程度の方向性を持って老後の生活設計を描くようにしましょう。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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