更新日: 2024.12.06 その他老後
「老後2000万円問題」が話題になりましたが、最近の物価高を考えると世代によっては「2000万円では足りない」のでは?と思います。何かできる対策はないのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後はいくら足りないのか?
総務省がまとめた「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」では、65歳以上の無職世帯(夫婦)の実収入平均は「24万4580円」であるのに対し、平均可処分所得(税金や社会保険などを差し引いた金額)が「21万3042円」でした。一方で、夫婦1世帯の平均消費支出は「25万959円」です。
可処分所得から消費支出を引いた場合、毎月3万7917円の赤字になります。この生活が30年続いた場合、1365万120円が不足する計算です。「老後2000万円問題」が話題となった2017年時点では、毎月5万5000円の赤字になる計算だったため、2000万円という数字が出てきたのです。
また、日本年金機構が公表している「令和6年4月分からの年金額等について」では、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金の月額は「23万483円」となっています。
この標準的な年金額とは、平均標準報酬43万9000円を40年間払い続けた場合の金額です。報酬額が平均よりも低い場合は、もらえる年金額が試算よりも低くなる可能性があるため、さらにお金が必要となるでしょう。
今は「4000万円」と言われている!?
「老後2000万円問題」でも驚きですが、「老後4000万円問題」というフレーズも話題となっているようです。その理由は、物価の上昇です。
総務省の「2023年(令和5年)平均消費者物価指数の動向」で公表された総合指数は、2020年を100としたときに、2023年は105.6となります。前年比で3.2%上昇し、32年ぶりの上昇幅となりました。
仮に、今後同様のペースで値上げが続くと、20年後には物価が約2倍になる可能性があります。そのため、2000万円の貯金を目標にためていても、その頃には1000万円分の買い物しかできないため、実際には4000万円の貯金が必要になる可能性があるのです。
老後に備えるための4ポイント
老後に向けたお金を備えるためのポイントの1つ目に、公的年金を少しでも増やすことが挙げられます。妻が夫の扶養に入っている場合には、夫婦共働きで厚生年金に加入することで年金が増える可能性があります。
次に挙げられるポイントが、少しでも長く働くようにすることです。近年では、70歳を過ぎても働いている方が珍しくありません。定年後も稼げる準備をしておくとよいでしょう。また、退職金や年金制度を確認して金額を把握しておけば、「いつまで働く必要があるのか」など計画を立てるのに役立ちます。
3つ目のポイントは、固定費の削減です。例えば携帯電話会社を格安SIMなどへ変更することで、毎月の通信料金を削減できる可能性があります。また、生命保険などの保険料にかなりの金額をかけている家庭が少なくありません。子どもが独立したら、死亡保障よりも医療保険や介護保険を充実させるなど、ライフスタイルに合わせた見直しが必要です。
そして最後のポイントが、「資産形成」です。受け取る際にも税制優遇のあるiDeCoやNISAを活用することで、利回りで増えたお金を老後に残せる可能性があります。
老後に向けて準備しよう
「老後2000万円問題」が話題になったこともありましたが、「老後4000万円問題」というフレーズも話題となっているようです。事実、物価高が今後も続けば、世代によっては2000万円だけでは老後の生活が心もとない可能性もあります。老後に備えるためには、年金や資産を少しでも増やしていくことが重要です。老後に苦労しないためにも、今から準備しておきましょう。
出典
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
総務省 2023年(令和5年)平均消費者物価指数の動向
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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