孫が帰省するたびに「3万円」小遣いをあげています。娘夫婦は「あげすぎでしょう」と言いますが、孫のためにお金を使う高齢者は多いのでは…?

配信日: 2024.12.09

この記事は約 4 分で読めます。
孫が帰省するたびに「3万円」小遣いをあげています。娘夫婦は「あげすぎでしょう」と言いますが、孫のためにお金を使う高齢者は多いのでは…?
この記事では、祖父母が孫に金銭的支援を行うことについて考察します。金銭的支援の適切な金額をはじめ、家族間における金銭感覚の違いから生じる問題や、それを円満に解決するためのコミュニケーション方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

孫のためにお金を使う高齢者は多い? 祖父母から孫への金銭的支援の適切な金額とは?

祖父母が孫へ金銭的支援を行う目的には、教育費の補助、進学や就職のお祝い、普段のお小遣いなどがあります。金額は家庭の経済状況や地域差にもよりますが、日本では一般的に適度な範囲で行われるケースが多いでしょう。
 
内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、過去1年間の大きな支出の項目として、「子や孫のための支出(学費含む)」と回答した割合が18.6%となっています。この結果は、食費や光熱水道費、保健・医療、交通費など生活に関わる支出に次いで多いのが特徴です。
 
適切な金額とは、祖父母の生活費を圧迫しない範囲であることが基本です。無理な支援は祖父母自身の老後資金をひっ迫させ、後になってからトラブルにつながる可能性も考えられます。金額を決める際には、子どもとの相談を通じて、互いに納得できる範囲で調整することが重要です。
 

世代間の金銭感覚の違いと起こりうるトラブル

一般的に、祖父母世代は「節約」を基本とする価値観が強い一方で、孫世代はデジタル化やキャッシュレス決済の普及により「利便性や即時性」を重視するのが現代の特徴でしょう。そのため、祖父母が現金を渡した際に、孫のお金の使い道によっては不満を感じる場合があるかもしれません。
 
例えば、祖父母が教育費のつもりで渡したお金を、孫が趣味や娯楽に使っていた場合、祖父母は「無駄遣い」と感じてしまうかもしれません。一方で、孫は「自分のお金」と考え、祖父母の指摘を不快に感じてしまうこともあるでしょう。このようなすれ違いが、信頼関係の悪化につながることも少なくありません。
 
また、親世代を介さずに金銭を直接渡す場合、親がその事実を知らずに不満を抱くケースもあります。トラブルにならないようにするため、金銭感覚の違いを理解し合うとともに、事前に互いの意図を明確に伝えることが重要です。
 

金銭的支援におけるトラブルを防ぐためのポイント

前述したようなトラブルを防ぐためには、祖父母・親・孫の間で透明性のあるコミュニケーションが重要と考えられます。
 
金銭的支援を行う際には、支援するお金の目的を明確に伝えましょう。例えば、「進学のための費用」と伝えれば、孫もそのお金をどう使うべきか理解しやすくなります。
 
また、親を通して金銭をやり取りすることで、親が管理しやすくなり、無駄遣いやトラブルを防ぐことができるかもしれません。直接渡す場合も、事前に親に相談しておくことが重要です。
 
支援額が大きすぎると、孫の金銭感覚がマヒする恐れがある点にも注意が必要です。適度な金額に設定することで、孫は「感謝」を感じながらお金を使え、祖父母からの支援が価値あるものになるでしょう。
 

トラブルが発生した際の円満な解決方法

万が一トラブルが発生した場合には、冷静に話し合い、互いの意見を尊重する姿勢が必要です。
 
家族間でトラブルが発生するとつい感情的になり、相手を非難してしまいがちですが、それでは問題は解決できません。冷静に事実を確認し、何が問題だったのかを共有することが大切です。
 
また、同じようなトラブルを繰り返さないためにも、支援金の使い道や金額、受け渡しの方法などについて明確なルールを設定することをおすすめします。例えば、「進学関連の支援金は親を通して管理する」「趣味や娯楽のための金額は毎月一定額にする」といった、具体的な取り決めをするのがよいでしょう。
 

円満な金銭的支援を実現するためには家族間の日常的なコミュニケーションが不可欠

内閣府の調査によれば、高齢者の過去1年間の大きな支出項目として「子や孫のための支出(学費含む)」と回答した割合は18.6%となっています。この割合は食費や光熱水道費、保健・医療費など生活に関わる支出に次いで多いため、今回の事例のように、孫のためにお金を使う高齢者は一定数いることが分かります。
 
金銭的支援を円満に行うためには、日常的なコミュニケーションの質を高めることが大切です。「どう使ってほしいか」「何に優先して使いたいか」を互いに伝え合うことで、すれ違いを防ぐことにつながるでしょう。
 

出典

内閣府 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果 第2章 調査結果の概要 3.経済的な暮らし向きに関する事項 (6)過去1年間の大きな支出項目(Q10)(54ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 夫の家事への不安に関するアンケート ライターさん募集