「自分のものはこれまで我慢していたから」と父の定年後に「クレジットカード」で頻繁に買い物をするようになった70代の母…ほかの年金受給者もカード利用に積極的なのでしょうか?
配信日: 2024.12.17
そこで今回は、年金を受け取り始める60代の方がクレジットカードを保有している割合について調べてみました。年金受給者がクレジットカードを利用するメリットや注意点もご紹介しますので、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
年金受給者もクレジットカードを持っている? 高齢者のカード利用状況
キャッシュレス化の影響もあり、日本においてもクレジットカードを利用する方は増加傾向にあるようです。
株式会社ジェーシービーが公表した「【クレジットカードに関する総合調査】2022年度版調査結果レポート」によると、クレジットカード保有率は全体で85.7%でした。年金を受け取り始める60代の利用率は全年代で最も高く、男性では94.0%、女性では93.0%といずれも9割を超えています。
60代のクレジットカード利用状況については表1の通りです。
表1
性別 | 平均保有枚数/携帯枚数 | 毎月の平均利用頻度 (1番目に多く使うカード) |
毎月の平均利用金額 (1番目に多く使うカード) |
---|---|---|---|
男性 | 4.2枚/2.6枚 | 7.7回 | 8万200円 |
女性 | 3.3枚/2.3枚 | 7.2回 | 6万7900円 |
出典:株式会社ジェーシービー「【クレジットカードに関する総合調査】2022年度版調査結果レポート」を基に筆者作成
上記結果から、年金受給者でもクレジットカードの利用に積極的な人はいて、母親がクレジットカードで買い物をするようになったとしても不思議ではないことが分かるでしょう。
年金受給者がクレジットカードを利用するメリット
年金生活をするシニア世代は、若年層にはない特典を受けられる場合があります。例えば一定の日に特定のスーパーなどで割引されたり、年齢に応じて電車の切符が割引されたりするクレジットカードもあります。シニア向けの特典やサービスが豊富なクレジットカードを選ぶことで、上手に節約をしながら年金生活を送れるでしょう。
現金を持ち歩く必要がなくなることもメリットの一つです。盗難などのリスクを減らすために、電子マネーやスマホ決済などを併用して、財布を持ち歩かないようにする方もいるでしょう。またクレジットカードでの買い物では利用明細が発行され、利用日時や金額を把握できるため、家計管理も楽になると感じる方もいます。
上記以外にも、利用代金に応じてポイントが貯まったり、国内・国外旅行保険が付帯されていたりして、現金を利用するよりもお得な場合が多くあります。
クレジットカード利用における注意点
簡単に支払いができてお得感もあるクレジットカードですが、使いすぎてしまう点には注意が必要です。
クレジットカードの請求は翌月になり、利用明細も遅れて反映されるため、自分がいくら使ったか把握できなくなる恐れがあります。母親が頻繁に買い物をするようになった場合は、利用明細の確認とともに、使いすぎへの注意を促す必要も生じるかもしれません。
買い物中にうっかりクレジットカードを落としたり、盗難にあったりするリスクもあります。第三者に不正利用される可能性がありますから、紛失・盗難の際にすぐにクレジットカード会社に連絡をするなど、対処法を事前に確認しておくと安心です。
インターネットショッピングを利用するシニア世代の場合は、カード番号やパスワードが盗まれるフィッシング詐欺にも注意が必要です。「パスワードを第三者に絶対に教えない」「怪しいメールやポップアップがあったら必ず家族に相談する」など、不正利用への対策を徹底する必要があります。
60代の9割以上がクレジットカードを持っている! 使いすぎやセキュリティー面での注意は必要
年金受給者にもキャッシュレス化は進んでいて、年金を受け取り始める60代の9割以上がクレジットカードを持っていることが分かりました。
父親の定年後に、70代の母親がクレジットカードで頻繁に買い物をするようになったとしても不思議ではないでしょう。現金を持ち歩く必要がなくなったり、シニア向けの割引やポイントが貯まって節約につながったりするメリットもあります。
一方で、簡単に買い物ができるようになり使いすぎてしまう点に注意が必要です。また紛失・盗難を始め、カード番号やパスワードが盗まれるフィッシング詐欺など、セキュリティー面での心配もあります。母親のクレジットカード利用が心配な場合は、使用頻度やセキュリティー対策をサポートするといいでしょう。
出典
株式会社ジェーシービー 【クレジットカードに関する総合調査】2022年度版調査結果レポート(8~11ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー