定年後、再雇用だと月給が「10万円」下がるので転職を考えています。60歳以降で転職するのは珍しいですか?
配信日: 2025.01.26 更新日: 2025.01.27
再雇用の際には、雇用形態や労働条件の見直しが行われるため、月給が10万円下がるといった状況も考えられます。給与が大幅に下がるのを避けるために、転職を検討する方もいるでしょう。しかし、60歳以降で転職をしている人は、どのくらいいるのでしょうか。
そこで今回は、60歳以降の転職事情について調べました。転職を成功させる方法もご紹介しますので、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
60歳以降も働く人は多い
人生100年時代といわれる昨今、定年退職後も仕事を続ける人も少なくありません。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、令和4年における高齢者の就業率は以下の通りです。
●60~64歳:73.0%
●65~69歳:50.8%
●70~74歳:33.5%
●75歳以上:11.0%
同調査で60歳以上男性の就業状況を見てみると、60~64歳で83.9%、65~69歳で61.0%となっており、定年退職後も仕事を続けている人が多いようです。
また、仕事で収入を得ている60歳以上の人のうち約4割が、「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しています。さらに、「70歳またはそれ以上になっても働きたい」と回答した人も含めると、約9割が就業意欲を持っていることが分かりました。
60歳以降で転職している人はどのくらい?
定年を迎えたあとも、同じ職場で再雇用されるケースは少なくないですが、給与は下がる傾向にあります。仕事内容はそれほど変わらないのに「月給が10万円も下がる」など、大幅に減給される場合は、転職を考える人もいるでしょう。
厚生労働省の「令和5年 雇用動向調査結果の概要」によると、60~64歳の転職入職率は男性で13.5%、女性で7.6%です。さらに65歳以上の場合は、男性で12.6%、女性で6.6%となっています。
なお、男性の転職入職率は、19歳以下が最も高く16.6%です。女性の転職入職率は、25~29歳の19.1%が最も多くなっています。数値的に見た場合、60歳以降の転職は決して難しくないといえるでしょう。
転職入職率を就業形態別に見ると、男性の場合、パート労働者は60~64歳で28.5%、65~69歳では19.7%となっています。一般労働者はそれぞれ10.8%と6.7%のため、転職後はパートで働く人の方が多いことが分かります。
定年後は、転職によって収入を上げたり、現状を維持できたりするわけではないため、注意してください。
60歳以降の転職を成功させる方法
60歳以降の転職も決して難しくないとはいえ、30代・40代と比較すると、難易度は上がるでしょう。転職を成功させるためには、以下のポイントをおさえることが大切です。
●自分の市場価値を把握する
●60歳になる前に転職活動を開始する
60歳以降は、専門知識を持っている人や、即戦力になれる人が求められるでしょう。自分の市場価値を客観的に把握することで、スキルや経験を生かせますし、仕事探しの方向性も定めやすくなります。
飲食業・清掃業・警備職など、慢性的に人手不足で、シニア世代の求人がある職種も候補に入れましょう。定年後の転職では、選択肢を増やすことが重要です。
また、60歳になってから仕事探しを始めると、年齢ゆえに転職活動が長期化するリスクがあります。定年退職後すぐに再就職先が見つからず、焦って賢明な判断ができなくなる可能性もあるでしょう。60歳になる前に転職に向けて動き出すことで選択肢が広がり、焦らずに転職活動を進められます。
60歳以降でも転職入職率は6.6〜13.5%! 自分の市場価値を把握して早めに行動を
60歳以降も働く人が増えており、60代後半でも半数以上は仕事をしていることが分かりました。60歳以降に転職をする人は、男性で12.6〜13.5%、女性では6.6〜7.6%いるようです。
ただし、転職入職率は、パート労働者の方が一般労働者よりも高い傾向にあります。そのため、転職によって収入レベルが維持されるわけではないでしょう。
転職を成功させるには、今までの自分の経験やスキルを棚卸しして、市場価値を客観的に把握する必要があります。また、60歳になってから転職活動を始めた場合、年齢ゆえに長期化するリスクがあるため、50代のうちから転職に向けて行動するとよいでしょう。
出典
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)令和4年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第2節 高齢期の暮らしの動向(6)就業状況
厚生労働省 令和5年 雇用動向調査結果の概要 3.転職入職者の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー