45歳独身の団地暮らしで「貯金800万円」まで貯まりました。このまま生活が変わらなければ、老後資金はもう貯めなくてもよいでしょうか?
配信日: 2025.01.29
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老後の生活費に不安があるときは、老後ならではの出費項目も調べておくことが大切です。今回は、老後資金が800万円で足りるのか、また、チェックしておきたい項目などについてご紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後資金は800万円で足りる?
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、令和5年の65歳以上かつ単身無職世帯の方の平均消費支出は月14万5430円、非消費支出は月1万2243円の計15万7673円でした。対して、平均収入は月12万6905円で、毎月3万768円が不足しています。
不足分を補うのは、基本的に貯金です。もし800万円の貯金があったとすると、約260ヶ月分、年数にして約21年は生活費を補えることになります。65歳の直前まで働き、65歳になってから年金と貯金だけで暮らすと考えると、86歳まで生活できる計算です。
厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.14歳です。貯金800万円があるとすれば、少なくとも平均寿命程度まで生活はできると考えられます。
ただし、実際にかかる生活費は本人の生活スタイルや、介護が必要かどうかでも変動します。余裕をもって老後の生活を送りたいなら、おおよそ自分の生活スタイルでどれぐらいの生活費が必要なのか把握しておきましょう。
特に、同じ団地やマンションに住み続ける場合、長期にわたり家賃が発生します。自身が払う家賃金額を想定し、住み続ける期間までどれぐらいの資金が必要なのかを知っておくことが大切です。
老後で用意しておきたいお金の項目とは
老後に必要となるお金で考えておきたい項目は、介護費用です。公益財団法人生命保険文化センターによると、令和3年時点での平均介護費用は月に8万3000円、ベッドなど一時的に発生する介護費用は平均74万円でした。
もし平均額の介護費用と一時費用が1年間かかったとすると、「(8万3000円×12ヶ月)+74万円」で173万6000円の出費です。1年間介護が発生するだけで、貯金800万円のうちの21.7%を使用することになります。
また、自身が亡くなったあとに必要な費用も備えておいた方がいいでしょう。親族が葬儀をする際に、費用が足りなくなる可能性があります。特に、自身が望む形で葬儀をしてほしい場合は、生前のうちにその内容を親族に伝えておき、必要なお金を用意しておくことが大切です。
現時点の貯金で足りないと感じるときは、年金を受け取り始めるまでに貯蓄を増やしておいたり、老後の生活費を上手にやりくりしたりすることも検討しましょう。
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老後の生活でお金をやりくりするコツ
老後の生活でお金に余裕を持たせるために、まずは生活費を見直しましょう。老後は全体の年収が働いていたときよりも減少するため、それまでと同じように出費していると、貯金が足りなくなる場合があります。
ただし、過度な節制はやめましょう。無理に食費や水道光熱費を節約すると、ストレスになるだけでなく心身へ影響を及ぼす可能性もあるためです。
また、老後ならではの節約方法として自動車の処分も挙げられます。単身世帯で自動車を引き継ぐ相手もおらず、免許を返納する場合、自動車はその後の生活に基本的に不要です。自動車を保有していると自動車保険代や駐車場代が発生するため、自動車を使う予定がなければ、売ったり捨てたりしたほうが、費用負担を軽減できます。
自治体によっては高齢者向けの送迎サービスを実施しています。居住地の自治体が実施している場合は、利用するのも一つの手です。
生活スタイルや状況によっては貯金が足りなくなる可能性もある
老後の生活費は、平均で月に約3万円不足するといわれています。貯金があればそこから出費でき、例えば800万円の貯金で21年は不足分を補えます。
しかし、平均値はあくまでも目安です。ライフスタイルや急な出費が発生すれば、貯金が800万円あったとしても足りなくなる可能性が考えられ、例えば介護費用が必要になった場合、月に平均8万3000円かかるため、注意が必要です。
老後の出費をうまくやりくりするには、不要な出費がないかを見直しましょう。車を使う予定がない方や免許を返納した方は、思いきって手放すことで駐車場代や自動車保険代を節約できます。
出典
総務省統計局 家計調査報報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況(2ページ)
公益財団法人生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー