更新日: 2019.01.10 セカンドライフ

「男性6年・女性9年」思ったより短いセカンドライフを考えてみませんか

「男性6年・女性9年」思ったより短いセカンドライフを考えてみませんか
※一部内容に誤りがございましたので、修正させていただきました。2017/12/25
 
平均寿命が延びる昨今、いわゆる老後、或いはセカンドライフを楽しむ時間はどれくらいあるのでしょうか。
仮に60歳で定年退職をすると、男性では11年、女性では14年です。65歳まで働く場合は、更に5年短い、男性は6年、女性は9年になります。
退職後の自由を謳歌する時間は、実はそんなに長くはないのです。なぜでしょうか。
岩永真理

Text:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

平均寿命の推移

 


 
厚生労働省統計の平成 28 年簡易生命表(上図)によると、日本人の平均寿命は男性が80.98 年、女性は 87.14 年とな っています。前年と比較して男性は 0.23 年、女性は 0.15 年上回っています。
 
また、主な年齢の平均寿命をみると、男女とも全年齢で前年を上回っています。更に、平均寿命の男女差は、6.16 年 で前年より 0.08 年減少しています。これらの傾向はここ数年ずっと変わっていません。
つまり、男女ともに全年齢で平均寿命が伸び、男女差は縮まるという傾向にあります。
 
これらの要因には、男女ともに死亡率の改善、つまり医療技術の進化が挙げられます。そのほかにも、予防を含めた健康知識の増加が一般大衆レベルにまで広まり、平均寿命を延ばしていることも考えられます。
 
今後もこれらの傾向が継続こそすれ、後退することは少ないと見るべきでしょう。仮にこのペースで伸び続けていくと、10年後(平成38年)の平均寿命は、男性83.28年、女性88.64年になります。
 

平均寿命は健康寿命と同じではない

 


 
*内閣府データ
 
年々伸びる平均寿命は、人生を謳歌する時間が増え、喜ばしいことのように見えます。しかし一方で、気を付けなければならないのは、平均寿命=健康寿命ではないということです。
 
上記内閣府のデータによると、日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、2013年平均で男性71歳、女性74歳です。
 
この結果から、好きなことを楽しむ定年後の時間を逆算すると、
仮に60歳で定年退職をすると、
男性71歳-60歳=11年
女性74歳―60歳=14年
となります。これが冒頭に申し上げた数字の根拠です。
 
65歳まで働くと、健康寿命から65歳までの期間となり更に5年短くなります。
平均寿命と同様、健康寿命も延びる傾向にありますが、健康寿命の延び幅は平均寿命より小さいのです。(前内閣府データより)退職後の自由な時間は、残念ながら思ったより短いことがわかります。
 
定年まで一生懸命働き、退職後やっと自由に自分のために使える時間が、実は想像以上に短く限られた貴重な時間だとすれば、当然それを有効に使いたいと思うでしょう。
 
私たちはつい現状がいつまでも続く、と錯覚しがちです。一日は24時間、誰にも平等にもたらされていますが、その使い方が重要です。
 
平均寿命が延び、健康寿命が延びれば伸びるほど、その使い方の上手い下手で、人生の目標への到達する可能性には大きな開きができてきてしまいます。
 

ライフプランの重要性

 
では、どうしたら、限られた時間を有効に活用できるのでしょうか。
大切なのは計画を立てることです。人生をどう過ごすのか、とりわけ退職後の自由時間に何をやりたいのか、その時期が来てから探すのでは、時間を有効に使えるとは言えないかもしれません。
 
人生の大まかな計画=ライフプラン
を作ることによって、あなたの大切な限られた時間を有意義かつ自分の思い通りに、使いこなすことができるようになるでしょう。少なくとも無計画で過ごしていくよりは、はるかに目標達成率を上げることにつながるでしょう。
 
現在の年齢にもよりますが、一般的には目先20年くらいを目安にするとよいのではないでしょうか。或いは定年まで、健康寿命まで、平均寿命まで、と節目までを一区切りに考えてもよいでしょう。
 
そして、そこで目標達成するためにはいくら準備しておけばよいか、収入や貯蓄残高に見合っているのかを確認することが、楽しいセカンドライフの第一歩なのかもしれません。
 

TEXT:岩永 真理 (いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

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