大学生の時に免除されていた年金保険料、追納したほうがお得?

配信日: 2021.04.21

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大学生の時に免除されていた年金保険料、追納したほうがお得?
大学生で学生納付の特例を受けると、保険料の免除や納付を猶予してもらうことができます。このようなケースでは、後から年金保険料を納めることができる、いわゆる追納が可能です。
 
年金保険料は、追納したほうがよいのでしょうか? また、どのようなことにメリットがあるのかを考えてみましょう。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

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将来の受取額はどうなるの?

学生納付の特例期間は、年金の受給資格期間として計算されます。このため、その期間に年金保険料の支払いがなくても、受給期間を積み上げることができるようになっています。この間、万一障害を負ってしまったなどの場合には、障害年金の給付が受けられます。
 
学生納付の特例はありがたい制度の反面、将来、受け取ることのできる年金額には反映されないことになります。単純に払わなかった部分が減額されますので、年齢を重ねてから受け取るべき年金額が減ってしまいます。
 

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追納するメリットってなに?

追納する最大のメリットは、将来、受け取れる年金が増えるということです。学生納付の特例は、年金の支払いを滞納しているわけではないので、特例期間終了後3年以内なら、ペナルティーなしで年金保険料を支払うことができるようになります。
 
また、年金保険料は社会保険料控除の対象です。追納することで、支払うべき所得税や住民税を軽減する効果があります。社会保険料控除を受けるためには、必ず確定申告もしくは年末調整を行わなければなりません。忘れずに手続きしてください。
 
ここで具体的な金額を見てみましょう。
 
例えば、課税所得金が約300万円で追納保険料が約40万円(2年分)のときには、所得税と住人税が最大で約8万円減額できます。つまり、支払った年金保険料は、実質32万円で済むことになります。
 

どうやって追納するの?

追納するときには、住所地の年金事務所へ出向いて申し込みをします。申請書に記入をして、厚生労働大臣の承認が受けられると納付書が自宅へ送られてきますので、納付すればOKです。
 
また申請書は、年金事務所に送付を依頼することも可能ですし、「ねんきんネット」からでも、追納申込書を作成できます。「ねんきんネット」で作成する場合、基礎年金番号等の基本情報が自動表示されますので、手間が省かれます。さらに、必要事項がしっかり入力できているか、入力項目をエラーチェックしてくれます。記入漏れや誤り防止にも役立ちます。
 
いずれにしても、申込書は送付する、もしくは年金事務所へ持ち込む必要があります。オンラインのみで申請が済むわけではないので気を付けてください。また、追納には期限がありますので注意しましょう。
 
追納できる期間は、追納を申し込み、承認を受けた月の前10年以内の免除期間までです。そして追納で支払う保険料は、当時の保険料額の免除分となっているのですが、免除を受けた翌年度から3年度以上が過ぎているときには、経年に応じて保険料は加算されることになっています。
 
納付時の注意点としては、本来であれば、口座振替やクレジットカードで納付できるのですが、追納するときには現金で支払わなければなりません。とはいえ、一括で支払わなければならないわけではありません。どのように追納するべきか悩んでいるのなら、まずは、どのように追納するべきか年金事務所に相談してみてください。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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