更新日: 2021.05.14 国民年金

学生納付特例制度で納付していなかった国民年金保険料。追納の方法は?

学生納付特例制度で納付していなかった国民年金保険料。追納の方法は?
納付していない国民年金保険料を、後から納付することができます。これを「追納」といいます。
 
追納した方がよいと思っていても方法が分からないという方のために、追納の方法を解説します。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

申請方法

まずは年金事務所で申し込みを行います。具体的には「国民年金保険料追納申込書」を年金事務所に提出します。
 
国民年金保険料追納申込書には、以下の事項を記入します。
 

●住所・氏名
●個人番号(または基礎年金番号)
●生年月日
●連絡先
●追納申込期間・分割区分

 
個人番号(マイナンバー)を記載する場合、窓口でマイナンバーカード(個人番号カード)を提示する必要があります。もしマイナンバーカードをお持ちでない場合は、マイナンバーが確認できる書類(通知カードなど)と身元確認書類(運転免許証など)を提示する必要があります。
 
国民年金保険料追納申込書を提出すると、審査があります。厚生労働大臣により追納の承認があると、通知書と納付書が送付されます。この納付書によって保険料を納付することにより、追納をすることができます。
 

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追納に関する注意事項

追納について、注意事項があります。
 

(1)追納ができるのは10年以内
(2)納付は、原則として古い期間の分から
(3)経過期間に応じた加算額が上乗せされる
(4)追納できない人もいる

 

追納ができるのは10年以内

追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られています。
 
つまり、5月に追納が承認された場合、4月からさかのぼって10年以内の免除等期間については追納ができるということです。逆にいえば、それ以前のものについては追納ができません。
 

納付は、原則として古い期間の分から

追納をした場合、その保険料は原則として古い期間の分に充てられます。
 
例えば、平成27年1月から平成28年12月までの2年間、学生納付特例の適用を受けた方が、追納するとしましょう。その場合、自分でどの期間の保険料に充てると指示はできず、古い期間(この場合は平成27年1月分)から、保険料が納付されることになります。
 
仮に新しい期間に対し保険料が納付された場合は、保険料が還付されるようになっています。
 
このことは、次の追納加算額と関連して、注意が必要です。
 

経過期間に応じた加算額が上乗せされる

日本年金機構のホームページには、「保険料の免除もしくは納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます」とあります。
 
これはつまり、およそ3年より前の保険料については加算額が上乗せされるということです。実際、令和3年度中に追納する際の保険料額は、以下のとおりです。
 

出典:日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
 
これを見ると、「令和2年度の月分」「令和元年度の月分」には「追納加算額はありません」と記載されています。「平成30年度の月分」より以前のものについては、そのような記載がありません。つまり、追納加算額があるということです。
 
先に説明した「納付は、原則として古い期間の分から」と合わせて考えると、追納の対象期間に追納加算額がある期間とない期間が混在する場合、追納加算額がある(古い)期間から保険料を納付しなければなりません。
 
ですから、追納するのであれば追納加算額が上乗せされる前の早い方が良い時期に追納した方がよいということになります。
 

追納できない人もいる

申請をすれば誰でも追納できるというわけではありません。老齢基礎年金を受給することができる方については、追納できないことになっています。
 

まとめ

追納を行うのであれば、まずは年金事務所に「国民年金保険料追納申込書」を提出しましょう。厚生労働大臣により追納の承認があると、通知書と納付書が送付されます。
 
追納は、この納付書によって行います。納付書には納付期限がありますので、期限内に納付するようにしましょう。
 
追納に関し注意事項がいくつかありますが、要約すると「追納するなら早い時期にした方がよい」ということです。
 
追納は、年金を満額受け取れるようにするための救済措置です。追納の方法を知っておくということは、追納しようとされている方だけでなく、追納するかどうかを悩まれている方にとっても有益なはずです。参考にしていただければ幸いです。
 
出典
日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
日本年金機構 「国民年金保険料追納申込書」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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