更新日: 2021.06.11 国民年金
国民年金保険料の学生納付特例制度、最長何年まで利用できる? 年金受給額はどうなる?
企業に入社すれば厚生年金に切り替わっていますが、学生納付特例を利用した分は、自分でさかのぼって保険料を納めないと将来の年金額に大きく影響が出てしまいます。
本記事では学生納付特例制度について簡単に解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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学生納付特例制度とは?
日本国内に居住する人は20歳になったとき、「国民年金」に加入することが義務付けられています。
今の日本では多くの人が大学などへ通っていますが、20歳になった時点で「国民年金加入のお知らせ」が届き、国民年金に加入したことが通知されます(令和元年10月前に20歳の誕生日を迎えた方は国民年金加入手続きのご案内であり、自分での加入手続きも必要です)。
通知書に同封されている納付書で年金保険料を納めるのですが、20歳時点で学生なので収入がない、または収入が少ないということも十分に考えられます。
こうした場合に、手続きをすることで一時的に年金保険料の納付を猶予してもらうことができる制度が「学生納付特例制度」です。この制度を利用することで、20歳から国民年金に加入したという資格を得ることができます。
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学生納付特例制度を利用するとどうなるの?
学生納付特例制度を利用すると、一体どうなるのでしょうか?
ポイントは大きく分けて2点です。
(1)年金の受給資格に必要な期間としてカウントされる
現在の制度では、老齢基礎年金を受給するためには国民年金の加入期間が最低10年間必要です。これを受給資格期間といいます。
(2)学生納付特例制度の利用中の保険料は免除ではないため、10年以内に納付しないと年金額の減少につながる
学生納付特例制度を適用している間は、保険料は支払っていない状態です。また免除ではなく、あくまで納付猶予となるので、大学などの卒業後、企業に勤めて保険料が支払えるようになったときに、さかのぼって納付しないと未納期間となってしまい、当然ながら老後の年金も減額されることになります。
そのため学生納付特例制度は、あくまで納付猶予ということに注意して、納められるようになった時点で保険料を追納していくようにしましょう。
学生納付特例制度はいつまで使える?
学生納付特例制度を利用した場合、納付猶予を受けられる期間は10年間となっています。特例を認められた場合でも、10年以内に納付をしないと未納と同じ扱いになってしまうので注意が必要です。
もし未納になった場合は、年金額にどの程度影響が出るのでしょうか? 令和3年度の満額の老齢基礎年金から見てみましょう。
まず、国民年金保険料を40年間=480ヶ月納付すると、年額78万900円の老齢基礎年金を受け取ることができます。
これを480ヶ月で割ると約1626円となることから、未納の月が1月あると約1626円の減額、1年間=12ヶ月で1万9512円の減額となってしまいます。また、受け取る額は65歳から死亡時までですので、仮に90歳までと考えたら減額分×25年で、1ヶ月未納=約4万600円、1年未納=約48万8000円と未納期間が長ければ長いほど影響が大きくなります。
現在の国民年金保険料が1ヶ月あたり1万6610円ですので、支払わないデメリットの方が大きいと考えられます。
まとめ
以上、国民年金保険料の学生納付特例制度について解説しました。納付猶予を受けた分について一気に納めるのは大変かもしれませんが、10年間の猶予をうまく利用して、将来の自分のために少しずつでも追納する方が良いかもしれません。
学生のときに学生納付特例制度を利用した人は、本記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか?
出典
日本年金機構 「国民年金保険料の学生納付特例制度」
日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
日本年金機構 「国民年金保険料」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部