更新日: 2021.06.11 年金

厚生年金の支給開始年齢引き上げ。具体的に何歳から受け取れる?

執筆者 : 柘植輝

厚生年金の支給開始年齢引き上げ。具体的に何歳から受け取れる?
厚生年金が何歳から受け取れるのかは、さまざまな場面で話題とされます。その中でも多くの人が関心を寄せているのは、支給開始年齢の引き上げについてです。
 
現在、何歳から受け取れるようになっているのか、そしてこれからは何歳から受け取れるようになるのか。厚生年金の支給開始年齢の引き上げについて切り込んでいきます。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

柘植輝

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厚生年金の支給が開始される年齢は現在65歳

現在、厚生年金の支給開始年齢は原則65歳からとなっています。これは平成12年に行われた法改正により、それまで60歳からに設定されていた厚生年金の支給開始年齢が65歳まで引き上げられたことに起因します。
 
現役世代の方は65歳から年金を受け取ることなったため、それまでは働き続けたり、貯蓄で賄うなどの自助努力が求められるようになりました。
 

年金の支給開始年齢の引き上げには経過措置がある

法改正とはいえ、これまで60歳だったものを一律で明日からいきなり65歳に、というのはあまりにも不公平です。20代や30代など、ある程度準備をする時間がある方はともかく、当時の50代など年金の受給が見えてきた方にとっては突然すぎる改正です。
 
そこで、国は経過措置を設け、60歳だった支給開始年齢をその人の生年月日に応じて、男性は2013年度から2025年度までの間、女性は2018年度から2030年度までの間、段階的に引き上げていくことにしました。具体的には下記のようになります。
 
【男性】

生年月日 厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢
昭和28年4月1日以前 60歳
昭和28年4月2日から昭和30年4月1日 61歳
昭和30年4月2日から昭和32年4月1日 62歳
昭和32年4月2日から昭和34年4月1日 63歳
昭和34年4月2日から昭和36年4月1日 64歳
昭和36年4月2日以後 65歳

 
【女性】

生年月日 厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢
昭和33年4月1日以前 60歳
昭和33年4月2日から昭和35年4月1日 61歳
昭和35年4月2日から昭和37年4月1日 62歳
昭和37年4月2日から昭和39年4月1日 63歳
昭和39年4月2日から昭和41年4月1日 64歳
昭和41年4月2日以後 65歳

※厚生労働省 「いっしょに検証! 公的年金 50~60代の皆さんへ」より筆者作成
 

繰り上げ受給で最速60歳から受け取れる

年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられたことから、若手世代は65歳から年金を受け取ることが基本になります。しかし、ライフプランやそれぞれの状況によっては65歳よりも前に受け取りたいという方もいらっしゃることでしょう。
 
そういった場合は年金の繰り上げ受給をすることで、最短60歳から、1ヶ月単位で年金の受給を早めることができます。しかし繰り上げ受給をすると、1ヶ月繰り上げるごとに0.5%減額された年金を生涯受け取ることになるため注意が必要です。
 
例えば、5年間丸々繰り上げた場合、30%(0.5%×60ヶ月)減額された金額を受け取ることになります。
 

支給開始年齢は70歳まで後ろ倒しできる

年金は繰り上げだけでなく、繰り下げて後ろ倒しして受給することもできます。最長で70歳まで、1ヶ月単位で繰り下げることが可能です。繰り下げると1ヶ月あたり0.7%増額された金額で厚生年金を受け取れます。
 
増額されるとはいえ、万が一、受給前に亡くなってしまうと、当然繰り下げた分も含めて年金を受け取ることができなくなるため注意が必要です。
 

厚生年金の受給開始年齢は、さらに後ろ倒しされる可能性も

まだ確定しているわけではありませんが、今後、厚生年金の支給開始年齢は現在の65歳からさらに後ろ倒しされ、70歳以降になっていくだろうと想定されます。
 
その理由については、少子高齢化による年金の財源問題などが背景にあるのですが、近年それを裏付ける決定的な出来事が起きました。それは、2021年4月1日から施行された高年齢者雇用安定法の改正です。この改正により今後、事業主は雇用している労働者を70歳まで継続雇用する努力義務が課せられました。
 
これは非常に大きな意味を持ち、70歳まで働ける環境を国は整えようとしていることが分かります。70歳まで働ける環境が整い、高齢者が安定して収入を得られるようになれば、次は年金の支給開始年齢が70歳に後ろ倒しされることは容易に想像できます。
 
実際、厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた当時も、定年が60歳から65歳になるよう高年齢者雇用安定法が改正されており、今回の改正も前回のように年金の支給開始年齢の後ろ倒しを見越した上での動きだとも考えられます。
 

厚生年金は原則65歳から受け取れる

現在、厚生年金は支給開始年齢が60歳から65歳に完全移行する段階であり、年齢によって支給開始のタイミングが異なっています。しかし、現役世代のうち、若手となる世代が年金を受け取るころには新たな法改正により、65歳どころか70歳からとなっている可能性もあります。
 
厚生年金の受け取りは将来的に65歳以降となる可能性も考慮し、今後はより一層、現役世代のうちからしっかりと老後に向けた準備をしておくことが重要になるでしょう。
 
参考
厚生労働省 いっしょに検証! 公的年金 50~60代の皆さんへ
 
執筆者:柘植輝
行政書士