更新日: 2021.06.11 年金

厚生年金の高齢任意加入とは? 対象者や手続きについて解説

執筆者 : 辻章嗣

厚生年金の高齢任意加入とは? 対象者や手続きについて解説
厚生年金の加入者は、70歳になると加入資格を失います。
 
しかし、一定の要件を満たす方は、70歳以上でも加入できる高齢任意加入制度があります。今回は、高齢任意加入の対象者や手続き方法について解説します。
 
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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厚生年金の高齢任意加入とは?

1.高齢任意加入とは

厚生年金の高齢任意加入とは、老齢年金を受けることができる加入期間(受給資格期間)を満たしていない方が、70歳を過ぎても会社員として働く場合、受給資格期間を満たすまで任意で厚生年金に加入できる制度です(※1)。
 

2.受給資格期間とは

受給資格期間とは、年金を受け取るために必要な保険料を納めた期間や加入者であった期間などの合計年数をいいます。老齢年金を受け取ることができる加入期間は、老齢基礎年金の受給資格期間である10年が基本となります。
 
受給資格期間には国民年金だけでなく、厚生年金や共済組合の加入期間も対象となり、保険料納付済期間のほか、合算対象期間や保険料が免除された期間も含まれます(※2)。
 

3.合算対象期間とは

年金額には反映されないが受給資格期間に含まれる合算対象期間とは、以下の期間をいいます(※3)。
 

(1)日本人で海外に居住していた期間のうち、国民年金に任意加入しなかった期間(注)
(2)平成3年3月まで学生(夜間制・通信制を除き、年金法上で規定された各種学校を含む)であり、国民年金に任意加入しなかった期間(注)
(3)第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳未満の期間または60歳以上の期間
(4)国民年金に任意加入したが、保険料が未納となっている期間(注)
(5)昭和36年5月1日以降に日本国籍を取得した方、または永住許可を受けた方の海外在住期間のうち、取得または許可前の期間(注)
(注)20歳以上60歳未満の期間に限ります。

 

勤務先によって違う手続き方法

厚生年金の高齢任意加入は、70歳を過ぎても会社に勤める方が老齢年金の受給資格期間(10年)を満たしていない場合に対象となりますが、勤務先の会社が厚生年金の適用事業所であるか否かにより手続き方法が異なります。
 

1.適用事業所の場合

70歳以降も厚生年金の適用事業所に勤めている方は、「高齢任意加入被保険者資格取得申出書」(※4)を提出することによって、受給資格期間を満たすまで任意に厚生年金に加入することができます。
 
この際、事業主の同意が得られれば、保険料は事業主と本人が折半し、事業主が納付します。なお、事業主の同意が得られない場合は保険料の全額を本人が負担し、本人が納付します(※1)。
 

2.適用事業所以外の場合

厚生年金の適用事業所以外で働く70歳以上の人が、受給資格期間を満たすまで任意加入することを希望する場合は、以下の要件を満たす必要があります(※1)。
 

(1)厚生年金の被保険者となることについて事業主の同意を得られること
(2)厚生年金の加入について厚生労働大臣が認可すること

 
この際、任意加入を希望する方は「高齢任意加入被保険者資格取得申請書」(※4)を提出します。そして保険料は事業主と本人が折半し、事業主が納付します(※1)。
 

3.手続き方法

高齢任意加入の手続きは、事業所の所在地を管轄する年金事務所に「高齢任意加入被保険者資格取得申出/申請書」(※4)と以下の添付書類を本人が提出します。提出方法は窓口に持参するほか、電子申請や郵送による申請も可能です(※1)。
 

(1)必須の添付書類

●履歴を記入した書類

 

(2)申出/申請書に基礎年金番号を記載した方

●年金手帳または基礎年金番号通知書
 
●戸籍抄本または住民票の写し(基礎年金番号と個人番号が紐付けされていない場合)

 

(3)申出/申請書に個人番号を記載した方

●マイナンバーカードの提示
 
●個人番号が記載された住民票の写し(住民票記載事項証明書)

 

(4)共済組合の加入履歴がある方

●共済組合加入期間確認通知書(年金事務所から提出を求められたとき)

 

(5)合算対象期間の確認が必要な方

●戸籍謄本および配偶者の年金手帳・基礎年金番号通知書または年金証書
 
●パスポートのコピーなど海外に在住したことが分かる書類

 

まとめ

70歳以降も会社などで働く方が老齢年金の受給資格期間を満たしていない場合は、厚生年金に任意加入することができます。受給資格期間を満たすことができずに老齢年金をあきらめている方は、高齢任意加入を利用して受給資格を確保しましょう。
 
出典
(※1)日本年金機構 70歳以上の方が厚生年金保険に加入するとき(高齢任意加入)の手続き
(※2)日本年金機構 受給資格期間
(※3)日本年金機構 合算対象期間
(※4)日本年金機構 厚生年金保険高齢任意加入被保険者(船員以外)資格取得申出/申請書
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士