更新日: 2021.06.22 厚生年金

厚生年金と健康保険、どちらか一方だけの加入は可能?

厚生年金と健康保険、どちらか一方だけの加入は可能?
社会保障といえば、多くの場面で健康保険と厚生年金がセットで 扱われています。しかし、人によってはどちらか一方にのみ入りたいと考える方もいらっしゃることでしょう。そこで、厚生年金と健康保険、どちらか一方のみの加入は可能であるのか検討していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

原則厚生年金と健康保険はセット

基本的に厚生年金と健康保険はセットで加入することになります。なぜなら、厚生年金と健康保険は加入要件が同一に設定されており、かつ、セットで手続きするようになっているからです。
 
実際、厚生年金と健康保険の加入や資格喪失の際に利用する書類も、1枚の紙に両者セットになっています。そのため、健康保険には入ってもいいが厚生年金には入らない、と片方にのみ加入するといったことはできないようになっています。
 


※日本年金機構「従業員を採用したとき 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届(PDF 295KB)」より一部抜粋
 

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例外は70歳以上の方

厚生年金と健康保険はセットで加入し、片方のみの加入ができないようになっているとはいえ、これには例外があります。それは70歳以上の方です。70歳以上となると、健康保険のみに加入し、厚生年金は加入しないことになります。
 
これは、厚生年金は現在70未満の方のみが加入でき、健康保険は75歳以上となると後期高齢者医療制度の対象となり、個人で保険料を納めていくことになると規定されているからです。
 

年金を受けながら厚生年金に加入することも

厚生年金は要件を満たす限り最大で70歳まで加入することになります。これは、厚生年金を受給していても変わることはありません。
 
つまり、中には65歳を過ぎても働き、厚生年金に加入し、給与から厚生年金の保険料が天引きされているが、同時に厚生年金を受給しているといった状況も起こり得るのです。
 

厚生年金と健康保険の加入要件は? 加入したくない場合はどうするべき?

厚生年金と健康保険のセットで加入することになるなら両方とも加入したくないと考える方もいることでしょう。
 
しかし、厚生年金と健康保険は一般的な会社に勤め、フルタイムで働く人であれば、正社員やアルバイト、契約社員など雇用形態を問わず加入することになります。
 
個人事業主に雇われている方であっても、従業員5人以上の事業主に雇われる場合は加入することになります。
 
もし、厚生年金や健康保険に入りたくない場合は基本的には雇用によらない働き方、つまり、個人事業主や業務委託、フリーランスといった形式で働くことになります。
 
次に勤務時間の面から考えていきます。基本的に同じ事業所で働く正社員の4分の3以上働いてしまうと、フルタイムではなくともそれに準ずるとして厚生年金などに加入することになります。
 
そのため、パートやアルバイトなどで働く場合は勤務時間と労働日数を同じ会社に勤務する正社員の4分の3未満にしておくことが必要です。
 
ただ、近年では加入者の範囲が拡大しており、勤務先の規模によっては週20時間以上勤務するなど一定の要件を満たしてしまうと、短時間のアルバイトやパートであっても厚生年金と健康保険に加入せざるを得ないこともあります。
 
厚生年金と健康保険に加入したくないのであれば、雇用契約以外の働き方で働いたり、雇用されて働く場合は勤務日数や時間に注意することが必要です。
 

厚生年金と健康保険はセットでの加入が原則

厚生年金と健康保険はセットで加入することが原則であり、70歳以上で厚生年金の加入年齢の上限に達していない限り両者に加入することとなります。
 
同時に加入するというのがどうしても嫌だという場合は雇用形態や勤務日数・時間に変更を加えることで厚生年金や健康保険に加入しないこともできます。
 
厚生年金や健康保険について気になることは、最寄りの年金事務所や勤務先に確認するとよいでしょう。
 
出典
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 従業員を採用したとき 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届(PDF 295KB)
全国健康保険協会 保険証の返却
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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