親が認知症。年金はどう管理する?

配信日: 2021.06.24

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親が認知症。年金はどう管理する?
親が認知症になった場合、困ってしまうのがお金の管理です。その中でも年金の管理は重要です。親の年金を管理するときには、どのような点に注意するべきなのでしょうか? また、年金に関連し、預貯金の管理も大切です。
 
スムーズかつ家族間でもめないためには、どのような方法で管理すると良いのか、考えてみましょう。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

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年金の支給日って知っていますか?

年金の管理をするというと、入金のみを気にする人は少なくありません。家計の収支を検証する際に、1月単位での生活費や年金額などを検証対象とするケースが多いため、年金は毎月支給されるものと勘違いしている人は多いのですが、年金の支給は2ヶ月に1度であり、年6回に分けて支払われることになっています。
 
支給月は、2月、4月、6月、8月、10月、12月の偶数月の15日で、支給時にはその前月分までの2ヶ月分が支払われることになっています。
 
例えば6月に支払われる年金は、4月、5月の2ヶ月分が支給されます。また、支給日の15日が土曜日や日曜日のときには、金曜日に繰り上げて支払われることになっていますし、15日が祝日になってしまうときには、直前の平日に支払われることになっています。必ず前倒しで支払われます。
 
なお、亡くなったタイミングによっては、本人死亡後に支給されることもあります。死亡届を提出している時点で受給資格を失うことになりますので、支給が延々と続くわけではありません。
 

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郵便物のチェックを忘れないようにする

年金は生存確認をして支給されるのですが、元気であっても定期的に健在かどうかの確認をします。それが「現況届」です。
 
そもそも住民基本台帳ネットワークによる情報で年金受給権者および加給年金額対象者が健在か、生存しているのかの確認はできます。
 
ただ、生計維持関係や親族(続柄)関係の確認はできません。そのため、加給年金額の加算がある年金受給権者は、加給年金額対象者との生計維持関係や親族関係の状況を確認するため、誕生月に「現況届」の提出が必要です。
 
提出期限は、誕生日の属する月の末日ですので、必ず提出するようにしましょう。誰にでも届くわけではありませんが、「現況届」が送られてきているのなら、忘れずに提出してください。
 
「現況届」の提出が確認できないと、年金の支払いが全額または一部が止められてしまいますので、注意しましょう。なお、提出すれば、未支給分がある場合などは、さかのぼって支給されますので安心してください。
 

あらかじめ万一のことを想定した話し合いをしておく

年金に限らず、まだ両親が元気なうちから、両親らが万一のときには、誰が両親のお金の管理をするのかを話し合っておくことが大切ですし、成年後見制度を利用してお金を管理する人を決める方法もあります。
 
ただ両親が2人とも健在なら、どちらか一方に万一のことがあったときには、もう1人がメインでお金の管理をし、それを子どもがサポートする形が望ましいこともあります。その理由としては、いくら年齢を重ねていたとしても、「お金に関するすべてのことを子どもには知られたくない」と、考えている親は少なくないからです。
 
もし、子どもが親の面倒を見なければならない状態であれば、子どものうち、メインで管理をする人を決め、その他の兄弟姉妹がチェックをするという方法もお勧めします。
 
例えば、3兄妹のうち長男がお金を実際に動かし、妹が通帳とお金の流れを把握するため記帳をし、次兄が誤りの有無をチェックするという体制をとっていたケースがありました。何だか面倒だし、「そこまでしなくても……」と思うかもしれませんが、家族間でもめないためにも、お金の流れを明確に、全員が把握しておくことは必要です。
 
成年後見制度には、任意後見人と裁判所が選ぶ法定後見人の存在があります。介護される本人の意思が反映できるのは任意後見人で、あらかじめ信頼できる方と任意後見契約を交わしておき、いざというときに後見をお願いするというものです。
 
法定後見人は、裁判所で候補や希望などを確認し、後見人を選ぶという方法です。ただ、希望をしても必ずしもその人が後見人になるわけではない点に注意しましょう。
 
認知症には予兆があるといえ、すぐに気づくことが難しいこともあります。親が認知症になってしまったら、法律で助けられることもあるかもしれませんが、まずは家族で力を合わせ、生活していくことも考えてほしいと思います。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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