要件を満たす場合、厚生年金には必ず加入しなければならない?

配信日: 2021.06.28

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要件を満たす場合、厚生年金には必ず加入しなければならない?
厚生年金の加入対象となる範囲が年々拡大する中、「厚生年金には加入したくない」と考える方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、厚生年金には必ず加入しなければならないのか? という疑問についてお答えしていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

厚生年金は強制加入の制度である

厚生年金は強制適用となるため、加入要件に当てはまるのであれば必ず加入しなければなりません。つまり、個人の意思で自由に加入する、加入しないといったことはできないものです。
 

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厚生年金の加入要件は?

最近では当たり前になりつつありますが、厚生年金は規模に関係なく登記されている法人や、国や地方公共団体などに勤める70歳未満の方が加入することになります。また、個人事業主に雇われている場合でも、従業員が常時5人以上であれば厚生年金に加入することになります(臨時で雇用される方や季節性の労働に従事される方など一部の例外を除く)。
 
上記のような事業所は厚生年金の強制適用事業所と呼ばれ、そこに勤務する方であれば雇用形態を問わず厚生年金に加入することになります。正社員はもちろん、契約社員やパートタイマー・アルバイトであっても法定の要件を満たす限り厚生年金の加入対象です。
 
なお、上記の要件に当てはまらない場合であっても、従業員の半数以上が適用事業所となることに同意した事業所に勤務する方も厚生年金に加入します。この場合、適用事業所となることに反対した方も加入しなければなりません。
 

短時間のパートやアルバイトでも加入しなければならないの?

短時間だけ働く方であっても、法定の要件を満たす限り厚生年金に加入することになります。具体的には次の(1)または(2)の要件を満たす場合です。
 

(1)勤務日数および労働時間が一般社員の4分の3以上
 
(2)次の5つの要件を満たす場合
・週の労働時間が20時間以上
・雇用期間が1年以上見込まれる
・月の給料が8.8万円以上
・学生でない
・厚生年金保険の加入者数が常時500人を超える勤務先に勤めていること(なお、労使合意に基づき申し出をした場合は任意特定適用事業所となり、被保険者数が500人以下であってもこの要件を満たすこととされます)

 
このため、勤務先や勤務条件によっては短時間のパートやアルバイトなどであっても厚生年金に加入しなければならないこともあります。
 

今後、厚生年金の加入対象者の幅は広がる

現在では厚生年金に加入することになる短時間労働者の方は、まだそう多くはありません。しかし、今後は令和4年10月、令和6年10月と2回に分けて加入対象者の幅が広がることが決まっています。
 

令和4年10月から

令和4年10月以降は次のように一部要件が緩和され、短時間労働者における加入対象者の幅が広がります。
 
・事業所の規模
厚生年金の加入者数が常時500人超から100人超の事業所に拡大
 
・雇用期間
雇用が見込まれる期間を現状の1年以上から2ヶ月超に拡大
 

令和6年10月から

令和6年10月以降は、令和4年に変更となった厚生年金の加入者が常時100人を超える事業所という要件が50人超となり、さらに多くの事業所において短時間労働者が厚生年金に加入することが想定されます。
 

厚生年金は要件を満たすと基本は強制加入に

厚生年金は本人の自由意思で加入と非加入が決まるわけではなく、法定の要件に該当すれば本人の意思に関係なく強制加入することになります。短時間勤務のパートなど扶養内で働きたい方であっても加入することがある上、今後はさらに加入対象者の幅が広がっていきます。
 
厚生年金に加入することは保険料の支出が増える一方で、将来の保障が手厚くなるというメリットもあります。働き方を考えるに当たっては、厚生年金に加入した場合と加入しない場合とで比較していくと、現状に見合った働き方が見つけられるのではないでしょうか。
 
参考 日本年金機構 会社に勤めたときは、必ず厚生年金保険に加入するのですか。
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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