更新日: 2021.09.13 国民年金
国民年金を満額受給できたら、毎月いくらもらえる?
その中で、国民年金に該当するのは老齢基礎年金ですが、この老齢基礎年金を満額受給できた場合、毎月の受取額はいくらになるのでしょうか。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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現在の公的年金制度について
現在、公的年金である老齢基礎年金そして老齢厚生年金は、65歳から受け取れます。ただし、希望すれば60歳から受け取りを開始することもできますし、70歳まで受け取りの開始を延ばすこともできます。
支給については、毎月行われるのではなく、偶数月に2ヶ月分が振り込まれます。ただし、その振り込み分は前月および前々月分であることに注意が必要です。
例えば、6月に振り込まれる年金は4月分+5月分であるということです。振込日は15日と決まっており、その日が金融機関の営業日外であれば、その前営業日に振り込まれることとなります。
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老齢基礎年金の満額受給額はいくら?
2021(令和3)年4月分から適用される老齢基礎年金額は、78万900円となっており、20歳から60歳までの40年間に未納等がない場合の満額受給額です。
(出典:日本年金機構「老齢基礎年金」(※1))
■支給日に受け取れる額
毎年偶数月に2ヶ月分受け取れることから、現在の適用額で計算すると13万150円が振り込まれることになります。
■月換算にするといくら?
2ヶ月分が13万150円ということは、毎月の年金受取額は6万5075円ということになります。ただし、この金額全額が振り込まれるわけではないことに注意が必要です。
公的年金から差し引かれるものとは?
公的年金の受け取りの際、健康保険料(該当する方は後期高齢者保険料)、介護保険料のほか、所得税や住民税が差し引かれて振り込まれます。
■差し引かれる金額は?
では、国民年金のみに加入しており、未納期間がなく、満額受け取れる方について、差し引かれる保険料や所得税等はいくらになるのでしょうか。
<所得税>
老齢基礎年金を受け取っている方の所得税については、受給金額から公的年金控除等を差し引いた額を所得金額として計算します。そして、この所得は雑所得に分類されます。
計算上、65歳以上で公的年金等の収入額が110万円以下の方の所得金額は0円とみなされますので、所得税の課税対象とはなりません。
(出典:国税庁「公的年金等の課税関係」(※2))
<健康保険料>
国民健康保険料については、各自治体で異なります。今回は横浜市を例に以下の条件で計算してみます。
・65歳ひとり暮らし
・受け取る公的年金は老齢基礎年金(満額)のみ
・ほかに所得はなし
この条件で計算すると、2021(令和3)年に適用される健康保険料は年間1万3440円となり、月に換算すると1120円となることが分かります。
(出典:横浜市「令和3年度保険料の料率等について」(簡易試算表を用いて計算)(※3))
<介護保険料>
介護保険料についても、自治体で異なります。横浜市では介護保険料(2021〈令和3年度〉)の基準額を7万8000円(月額換算6500円)としており、所得に応じて負担額を調整しています。
市民税課税対象で所得金額が120万円未満の場合は、基準額の1.07倍を納める必要があり、その額は8万3460円(月額換算約6955円)となります。
(出典:横浜市「介護保険料」(※4))
<住民税>
同様に住民税についても見ていきましょう。同じ横浜市で計算すると、65歳以上ひとり暮らしで老齢基礎年金を満額受給している場合の住民税額は3万8700円となり、月に換算すると3225円となります。
(出典:横浜市「個人住民税シミュレーション」(※5))
最終的な受取額はいくらになる?
公的年金から引かれる金額が分かったところで、実際にいくら受け取れるのかを見てみましょう。
差し引かれる金額の合計(月換算)は、健康保険料が毎月1120円、介護保険料が6633円、住民税が3225円の合計1万978円です。
偶数月に2ヶ月分が差し引かれて振り込まれることから、振込額は10万8194円。ひと月あたりの金額は5万4097円という結果になります。
まとめ
国民年金の満額受給額だけでも少ないと感じていたのに、さらに住民税や健康保険料が引かれることに驚かれた人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これが現実です。特に、介護保険料の割合が高いことについては、少子高齢化の影響が大きく反映されているといえるでしょう。
ただし、国民年金のみの受給であれば、65歳以上の方の所得税はかかりません。
逆にいえば、ほかに老齢厚生年金を受け取る方や企業年金を受け取る方、そして年金以外の何らかの収入がある場合は、所得税を払う必要がありますし、その分住民税額や保険料も上昇することとなります。
住民税については、ふるさと納税を行うことで節税効果を生むことができますが、健康保険料については所得に比例して高くなることから、将来受け取る予定の公的年金から引かれる税金や保険料についても、どのくらいかかるのかある程度把握しておくことが大切です。
出典
(※1)日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」
(※2)国税庁「公的年金等の課税関係」
(※3)横浜市「令和3年度保険料の料率等について」
(※4)横浜市「横浜市の介護保険料のしくみ」(令和3年6月版)
(※5)横浜市「あなたの個人住民税(市民時・県民税)がいくらになるか試算できます」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員