厚生年金で最も高い保険料を納付している人の年収はどれくらい?

配信日: 2021.07.12

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厚生年金で最も高い保険料を納付している人の年収はどれくらい?
厚生年金に加入している方の保険料は年収に比例して高くなっていきます。しかし、厚生年金の保険料は無限に高くなっていくわけではなく上限額も設定されています。
 
厚生年金の保険料が上限に達している方は年収がどれくらいの方なのでしょうか。厚生年金の上限と年収について迫っていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

厚生年金の保険料はどう決まる?

まずは厚生年金の保険料の決まり方について簡単に学んでいきます。厚生年金の保険料は年収に比例して高くなっていきます。
 
具体的には、毎月の給与と賞与を基準に算出した標準報酬月額(給与)と標準賞与額(賞与)に保険料率18.3%をかけて計算した保険料を事業主と被保険者とが半分ずつ負担します。
 
この標準報酬月額というのは単純に給与で決まるわけではなく、4月から6月の給与を基に、その金額に応じて32段階の等級に分けられます。
 


出典:日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)
 
標準賞与額は賞与の金額から1000円未満を切り捨てた金額がそのまま標準賞与額となります(上限は150万円)。
 

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厚生年金で最も高い保険料を納付している人の年収は?

では、厚生年金の保険料を上限額まで支払うような人たちは、どのような年収になるのでしょうか。簡単にシミュレーションしてみます。賞与が出ない方と、賞与が夏と冬の年2回出る方とで比較してみます。
 

標準報酬月額が上限に達する方の年収は700万円以上と想定

まずは賞与がない方の場合で試算してみます。
 
標準報酬月額は1等級から32等級まであり、その上限額は65万円です。この最大である32等級になるのは、4月から6月の給与が63万5000円以上となる方です。
 
標準報酬月額は給与によって一定区分で区切られるため、給与の額は63万5000円なのに、標準報酬月額額は65万円とみなされてしまいます。このように標準報酬月額は自身の月収より高い金額が設定されることもあります。
 
では、実際に毎月63万5000円の給与が発生している方の厚生年金保険料を計算してみましょう。
 
その際発生する保険料は標準報酬月額65万円に保険料率18.3%をかけた金額である、11万8950円となります。しかし、実際の厚生年金の保険料は労使折半になるため本人が支払う保険料は5万9475円となります。
 
実に毎月6万円ほど、年間で70万円以上ものお金が厚生年金の保険料だけで支払われていることになります。この場合、賞与の支給がなかったとしても年収が月給63万5000円×12ヶ月で762万円以上と想定できるのです。
 

標準賞与額も上限に達する方の年収は1000万円以上と想定

先にも少し触れましたが、標準賞与額は150万円を上限に、賞与の金額の1000円未満を切り捨てた数値がそのまま標準賞与額となります。つまり、賞与が150万円出ていれば、標準賞与額は上限である150万円となります。
 
仮に賞与が夏と冬の2回出ていたとすると、賞与だけで300万円、月給が標準報酬月額の上限32等級の下限額である、63万5000円であると仮定しても、年収は63万5000円×12ヶ月+300万円(夏賞与150万円+冬賞与150万円)で1062万円と試算できます。
 
この場合、本人が支払う賞与分の保険料は150万円に保険料率である18.3%をかけ、さらにその半分である13万7250円となります。
 

厚生年金で最も高い保険料を納付している人の年収は少なくとも762万円以上

厚生年金で最も高い保険料を納付している人の年収は少なくとも762万円程度はあるのではないかと推測できます。しかし、これはあくまでも試算であります。
 
繁忙期の関係などから4月から6月までの給与が他の月と比較して高かったり、普段の月給はそう多くはないが賞与の割合が高い勤務先で働いているなど諸条件によってはこの金額よりも高い数値となることもあります。
 
働き方や収入、手取りなどを考える際は、厚生年金の保険料という観点から考えてみると自分に見合った働き方を見つけるヒントになるかもしれません。
 
出典
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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