60歳になったけど、受給資格期間が足りない…どうすれば年金をもらえる?

配信日: 2021.08.11

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60歳になったけど、受給資格期間が足りない…どうすれば年金をもらえる?
老齢基礎年金は、受給資格期間が原則として25年以上必要でしたが、平成29年8月1日からその基準が大幅に緩和されて10年以上となりました。これまで年金をもらえないと諦めていた人にとっては朗報でした。
 
ただし、受給資格要件が大幅に短縮されたとしても、60歳の時点で保険料納付済期間が10年未満となっている方は、原則、年金をもらうことはできません。
 
しかし、あきらめるのはまだ早いです。今回は、そういった方々を対象に、どうしたら年金がもらえるようになるのかを確認していきたいと思います。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

合算対象期間(「カラ期間」)を加える

年金取得に必要な資格期間に、合算対象期間(カラ期間)を加えると年金が受給できる可能性があります。
 
主に、以下(1)~(4)が対象となります。ただし、20歳以上60歳未満の期間に限ります。また、年金額の算定には反映されないので注意が必要です。
 

(1)昭和61年3月以前に、会社員の配偶者だった期間
(2)平成3年3月以前に、学生だった期間
(3)海外に住んでいた期間
(4)脱退手当金の支給対象となった期間

 

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年金記録を確認する

ご存じの方がいらっしゃるかと思いますが、平成19年、年金手帳などに記載されている基礎年金番号に統合されていない記録(持ち主不明の年金記録)約5095万件の存在が明らかになりました。いわゆる「年金記録問題」です。
 
いまだに持ち主のわからない年金記録がたくさん残っています(平成29年2月政府広報/厚生労働省の「年金ニュース(平成29年2月)」によると約2000万件(※))。
 
この中に、もしかしたらご自身の年金記録が埋もれているもしれません。そうなれば、年金受給期間が10年を超え、年金を受給できる可能性があります。
 
特に、旧姓の方、読み間違えやすい名前の方、本来とは異なる生年月日や名前で届け出をしてしまった等の可能性のある方は、年金記録が埋もれている可能性がありますので、年金記録をぜひ確認しましょう。
 

任意加入制度を活用する

任意加入制度とは、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときは、60歳以降でも国民年金に任意加入できる制度です。
 
ただし、厚生年金保険、共済組合等加入者は利用できません。また、申し出のあった月からの加入となり、さかのぼって加入することはできないので注意が必要です。
 
年金の受給資格期間が10年に満たない人は、この制度を使えば、最長70歳まで国民年金に任意加入することで、受給資格期間が増え、年金を受け取れるようになれる可能性があります。
 
以上、60歳の時点で、保険料納付済期間が10年未満となっている場合に、年金をもらえる方法について紹介しました。
 
具体的に手続きを進めたいと思っている人は、日本年金機構のホームページで確認、もしくは、「ねんきんダイヤル」を使って問い合わせをする、あるいはお近くの年金事務所で相談してみるとスムーズにいくと思います。
 
(※)政府広報/厚生労働省「新たに年金を受け取れる方が増えます。年金額を増やすこともできます。」
 
(出典)日本年金機構「必要な資格期間が25年から10年に短縮されました」
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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