更新日: 2021.08.30 年金

年収1000万円の人は厚生年金保険料を1年でどれくらい納付している?

執筆者 : 柘植輝

年収1000万円の人は厚生年金保険料を1年でどれくらい納付している?
給与に応じて金額が決まる厚生年金の保険料。毎月の給与から引かれる保険料を給与明細で見て、ため息をつくなんて経験は誰しも一度や二度はあることでしょう。
 
平均的な収入があったとしてもそう感じる厚生年金保険料ですが、年収1000万円を稼ぐような高所得者は年間でどれくらい保険料を納付しているのでしょうか。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

柘植輝

執筆者:

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厚生年金保険料の仕組み

毎月の給与から引かれる厚生年金の保険料は、標準報酬月額に保険料率(18.3%)をかけて算出したものを、さらに会社と本人とで折半した金額となっています。
 
標準報酬月額は大幅に給与が変動したなどの理由がない限り、毎年4月から6月の給与の平均(報酬月額)を基に決定され、その年の9月から翌年の8月まで適用されます。
 
しかし、厚生年金の保険料が決定される仕組みについて難しく考えたり、自分で計算する必要はありません。厚生年金保険料額表を見れば一目瞭然です。
 

出典:日本年金機構 「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)」
 
例えば、4月から6月の給与が25万円だった人は、10月から毎月納付する厚生年金の保険料は2万3790円となるのです。
 
厚生年金の保険料は賞与についてもかかります。賞与にかかる保険料は、税引き前の賞与から1000円未満を切り捨てた額に、毎月の給与と同様の保険料率(18.3%)をかけて算出されます。
 
例えば、税引き前の賞与が30万円の場合、そこから引かれる保険料は30万円×9.15%(会社と折半した自己負担分)=2万7450円となります。
 
なお、厚生年金の保険料を計算するに当たり、基準となる賞与の額(標準賞与)には150万円という上限が設定されています。賞与が150万円を超える場合、標準賞与は150万円として計算されます。
 

年収1000万円の人が年間で納付する厚生年金の保険料はどれくらい?

厚生年金の保険料算出の仕組みが分かったところで、年収1000万円の方が年間で納付する保険料について計算してみましょう。給与・賞与については簡単に次のような条件とします。
 

●毎月の給与が60万円
●賞与が140万円ずつ、年2回合計280万円
●計算の簡略化のため税については考慮しない

 
まず、給与が60万円の場合、上記の厚生年金保険料額表から毎月の保険料は5万3985円になります。年換算すると64万7820円です。
 
さらに140万円の賞与が2回あるため、そこに自己負担分である保険料率9.15%をかけると賞与分の保険料は合計25万6200円となります。賞与分を含めた年間の厚生年金保険料は90万4020円です。
 

年俸制など賞与がない人の場合はどれくらい?

年収1000万円を稼ぐ人の中には、1年間を通じて毎月固定された金額が給与として支払われ、賞与が臨時の賃金として支給されない、いわゆる年俸制と呼ばれる給与形態の人もいます。
 
その場合、厚生年金保険料を算定する上では賞与分が含まれているかに関係なく、賞与が支給されないものとして毎月の給与を保険料額表に当てはめて保険料を算出します。
 
例えば、毎月の給与が84万円で年収1000万円という場合、月々の保険料は上限額である5万9475円となり、年間では71万3700円です。なんと、前述した賞与がある場合と比べて20万円近く保険料が安くなっています。
 

どうして賞与の有無が年金保険料に影響した?

同じ年収1000万円でも、賞与の支給の有無で保険料に違いが出たのはどうしてでしょうか。その理由は標準報酬月額の上限によるものです。
 
年俸制の例の場合、実質的に賞与が含まれていたとしても、毎月の給与が標準報酬月額の上限に当たる65万円の区分を超えており、賞与相当分にかかる厚生年金の保険料が発生していないようなものです。
 
しかしながら、前述した例のように賞与が支給される場合、毎月の給与に加えて、さらに賞与も保険料の算定の対象となるため、年俸制よりも保険料がかかる部分が多くなります。こうして両者の間の厚生年金保険料に大きな差がついたのです。
 

年収1000万円の人は年間70万円以上の厚生年金保険料を納めている

年収1000万円の人は、年間で70万円から90万円前後の厚生年金の保険料を納めていると想定されます。ただし、厚生年金の保険料には上限があるため、同じ年収でも給与形態によって差がつくこともあるでしょう。
 
年収1000万円というのは夢のある数字ではありますが、意外と自由に使えるお金は数字のインパクトほど多くないのかもしれません。
 
参考・出典
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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