更新日: 2021.09.30 国民年金
国民年金を「満額」もらうためには、保険料をどのくらいの期間納付すればいい?
そこで本記事では、国民年金の満額はいくらなのか、満額に近づけるためにどのような方法があるのかなどを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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国民年金の満額はいくら?
国民年金に加入している方は、老齢基礎年金を受け取ることになります。令和3年度版の日本年金機構の老齢年金ガイドによると、満額受給額は78万900円です。
加入可能年数が40年なので、計算すると480ヶ月保険料を納付すれば国民年金を満額受け取ることができます。また、年金を受け取るために必要な資格期間は、下記で挙げた期間をすべて合計して10年以上です。
●国民年金の保険料を納めた期間
●国民年金保険料の免除や学生納付特例などの猶予を受けた期間
●第3号被保険者であった期間
●昭和36年4月以降、厚生年金保険の被保険者か共済組合の組合員であった期間
●国民年金に任意加入できる方がしていなかった期間
年金を受け取る資格があるかどうかわからない方は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認しましょう。
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国民年金を満額に近づける方法
国民年金保険料を支払っていない期間があれば、年金を満額受け取ることはできません。そこでこの見出しでは、国民年金を満額に近づけるための5つの方法について詳しく解説します。今のうちに、未納期間があるかどうかしっかりと確かめて、少しでも満額に近づけるための対策を立てましょう。
保険料を追納する
保険料の追納とは、支払っていない保険料を後払いすることです。老齢基礎年金は、保険料の免除・納付猶予や学生納付特例をしている方は、その期間の保険料が年金額に反映されないため満額にはなりません。
しかし、これらの承認を受けた期間の保険料は、追納すれば老齢基礎年金の年金額を増やせます。年金事務所で申し込みを行い、厚生労働大臣の承認を受けたあとに納付書が渡されますので、それを利用して保険料を納付しましょう。
なお、追納は納付書のみの支払いとなり、クレジットカードや口座振替の納付はできません。
滞納している年金保険料を支払う
保険料を延滞している方も、未納扱いとなるため年金は満額受給できません。もし、保険料を延滞しているのであれば、すぐに納付をしてください。
なお、国民年金の被保険者は、原則として毎月の保険料を翌月末日までに納付しなくてはいけません。もし、期日を過ぎた場合はその期間分の延滞金が上乗せされます。
任意加入制度を利用する
国民年金は20歳~60歳に達するまでが強制加入期間ですが、60歳~65歳未満の期間で任意加入できる制度があります。過去に国民年金未加入期間があり、老齢基礎年金の受給資格がない方や、年金を満額受け取れない方のための制度です。
なお、平成17年4月より、保険料納付期間が480ヶ月に達すれば、強制的に任意加入制度の資格を喪失することになりました。
付加保険料を納付する
付加保険料とは、65歳までの方が毎月の定額保険料に、「400円」の付加保険料を上乗せして納めることで年金額が増やせる方法です。
付加保険料は、200円×納付月数で計算します。仮に40年間付加保険料を納付した場合、「200円×480ヶ月=96000円」が、老齢基礎年金に上乗せされます。なお、付加保険料は定額なので、増額や減額はありません。
繰り下げ受給を利用する
繰り下げ受給は、年金を66歳以降に繰り下げて受け取る方法です。65歳から受け取れる年金を繰り下げることで、年齢に応じた増額率になります。
なお、昭和16年4月1日以前に生まれた方は年単位で増額率が変わり、66歳が12%で70歳以上は88%です。
昭和16年4月2日以後に生まれた方は、月単位で繰り下げ請求を行うことが可能で、請求月の翌月分から年金を受け取れます。増額率は、0.007×繰り下げ申出月の前月までの月数(65歳到達月以降)です。
国民年金を満額受け取るためにも毎月しっかり納付しよう
国民年金を満額受け取るには、40年(480カ月)保険料をしっかりと納付し続ける必要があります。しかし、学生時代に納付したくてもできなかったり、未納期間があったりすると満額を受け取ることが難しくなります。
国民年金は追納や任意加入制度、付加保険料などを活用すれば、年金額を増やすことが可能です。もし、現時点で未納している分があれば、早めに対処して少しでも満額に近づけましょう。
出典
日本年金機構「老齢年金ガイド 令和3年度版」
日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」
日本年金機構「66歳以後に老齢年金の受給を繰下げたいとき」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員