国民年金の「特例免除」。対象となる人と免除額とは?
配信日: 2021.10.10
失業や退職などの経済的な理由で国民年金保険料の納付が困難な場合は、特例免除制度を利用することで、保険料納付が免除になります。
ここでは、国民年金保険料の特例免除の内容やメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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国民年金の「特例免除」
国民年金には、失業や退職、事業休止・廃止、罹災(りさい)などによる特例免除制度があります。特例免除制度があることで、失業などで国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合に、保険料が免除となります。特例免除制度の内容を知っておくことで、自身が失業や退職した場合に負担を軽減することが可能です。
ここでは、国民年金の特例免除制度の内容や対象者について見ていきましょう。
特例免除とは
国民年金の特例免除とは、失業するなどして経済的に国民年金保険料を納めることが困難な方の保険料納付を免除または猶予するものです。申請する場合は、国民年金保険料免除・納付猶予申請書と雇用保険受給資格者証の写し、または雇用保険被保険者離職票等の写し(雇用保険の被保険者だった場合)を市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口へ提出します。
通常、国民年金保険料免除の審査対象となるのは「申請者本人の所得」「申請者の配偶者の所得」「世帯主の所得」ですが、特例免除の場合は「申請者の配偶者の所得」と「世帯主の所得」が審査対象です。
特例免除の対象となる人
特例免除の対象となるのは「失業された人」や「災害に遭われた人」です。退職による失業や廃業・休業で失業した方、震災や火災などの災害によって罹災し、住宅、家財、その他の財産のうち、被害金額がおおむね2分の1以上の損害を受けられた方は、国民年金保険料が免除される可能性があります。
また、配偶者からの暴力(DV)によって、配偶者(加害者)と住居が異なる場合は、本人の前年所得が一定以下であれば保険料が全額または一部免除になります。配偶者の所得は関係ありません。
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特例免除のメリット
国民年金保険料の特例免除のメリットは、保険料一部納付と同じ扱いで、年金額が計算されることです。特例免除期間は、障害年金や遺族年金の支給対象期間ともみなされます。また、審査の際は、申請者本人の所得が除外され、配偶者の所得と世帯主の所得だけが対象となります。
ここでは、特例免除のメリットについて見ていきましょう。
保険料一部納付と同じ扱い
特例免除のメリットの1つが、保険料が免除となっても、保険料を一部納付したのと同じ扱いになることです。保険料免除期間の年金額の計算は「保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1」となります。免除で保険料を納付しなくても、一部納付と同じ扱いで年金額に反映されるのは特例免除のメリットです。
万が一の際にも保障を受けられる
万が一の際に障害年金や遺族年金などを受けられるのも、特例免除のメリットです。障害年金とは、病気やけがで生活や仕事が制限されるようになった場合に受け取れる年金です。遺族年金は、年金の被保険者が亡くなった場合に生計を維持されていた遺族が受け取れる年金になります。
特例免除期間は支給対象期間とみなされますので、万が一の際にも保障を受けられます。
申請者本人の所得を除外して審査される
通常、国民年金保険料免除の審査対象となるのは、以下3点です。
●申請者本人の所得
●申請者の配偶者の所得
●世帯主の所得
しかし、特例免除の場合は「申請者本人の所得」が除外され、以下2点のみが審査対象となります。
●申請者の配偶者の所得
●世帯主の所得
審査対象から除外されることで、申請者本人の前年所得が高くても特例免除を受けられる可能性があります。
失業などした方は国民年金の特例免除を活用しよう
失業や退職などで国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合は、特例免除を活用しましょう。保険料は免除となりますが、一部納付扱いで年金額は計算されます。罹災した場合も同様です。万が一の際は遺族年金などの保障を受けることが可能です。
特例免除要件に該当しており、保険料納付が厳しい場合は、しっかりと制度を活用しましょう。
出典
日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員