更新日: 2021.10.15 iDeCo(確定拠出年金)

iDeCoと企業型DCの違いって? 基本をおさらいしよう

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

iDeCoと企業型DCの違いって? 基本をおさらいしよう
老後資金の形成のために、確定拠出年金制度を利用したい人は多いでしょう。しかし、個人型(iDeCo)と企業型(企業型DC)の2つがあり、違いがよくわからない人もいるのではないでしょうか。
 
iDeCoと企業型DCは、共通する部分もあるものの、全く別の制度です。ここでは、確定拠出年金の仕組みやiDeCo・企業型DCの違い、併用ができるかどうかについて解説します。iDeCo・企業型DCの比較にお役立てください。
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監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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確定拠出年金とは?

 
確定拠出年金とは、拠出した掛け金と掛け金を運用して得た収益の合計金額をもとに、給付額が決まる年金制度です。老後資金を形成するための資産運用制度として設けられました。確定拠出年金に加入すると、拠出した掛け金や運用益が非課税となり、受給する年金(または一時金)にも控除が適用されます。
 
確定拠出年金には、事業主(企業)が掛け金を拠出する企業型と、加入者が拠出する個人型があります。前者が「企業型DC」、後者が「iDeCo」です。
 

運用方法

確定拠出年金の運用商品として選択できるのは、預貯金、投資信託、保険商品などです。運用商品の選定・提示をする運用管理機関は、選択肢として3~35個の商品を提示することが義務付けられています。これらの中から加入者自身が商品を選択し、運用を行っていく仕組みです。
 

給付の種類

確定拠出年金の給付金には、次の4つがあります。
 
■老齢給付金
5年以上の有期もしくは終身年金(または一時金)として受け取るもの。原則として60歳に到達すると受給できる。
 
■障害給付金
5年以上の有期もしくは終身年金(または一時金)として受け取るもの。70歳になる前に傷病により一定以上の障害状態となり、1年6ヶ月経過すると受け取れる。
 
■死亡一時金
加入者が死亡した場合に、遺族が資産残高を受給できるもの。
 
■脱退一時金
資格を喪失した際に、条件を満たすと受給できる一時金。
 

iDeCoと企業型DCの違いは?

 
iDeCoと企業型DCの最大の違いは、掛け金の拠出者が事業主か個人かという点です。また、企業型DCは、勤めている企業が実施していなければ加入できません。
このほかにも、iDeCoと企業型DCには多くの違いがあります。
 
《iDeCoと企業型確定拠出年金の比較》
 

iDeCo 企業型DC
実施主体 国民年金基金連合会 企業
加入対象者 国民年金第1号・第2号・第3号被保険者(企業型年金加入者は規約で個人型確定拠出年金の加入が認められている人) 実施企業の従業員
掛金拠出者 加入者 実施企業の事業主(規約により加入者も拠出可)
拠出限度額 条件により1万2000円~6万8000円 条件により2万7500円~5万5000円
口座管理費用 加入者が負担 実施企業が負担
税制 ■非課税
・加入者拠出の掛け金(全額所得控除)
・運用益
 
■控除
・給付金(年金として受給⇒公的年金等控除、一時金として受給⇒退職所得控除)
■非課税
・事業主拠出の掛け金(全額損金算入)
・加入者拠出の掛け金(全額所得控除)
・運用益
 
■控除
・給付金(年金として受給⇒公的年金等控除、一時金として受給⇒退職所得控除)

 

iDeCoと企業型DCは併用できる?

 
基本的には、企業型DCに加入している人は、iDeCoへの同時加入ができません。ただし、企業型DCの規約で個人型への同時加入を認めている場合は、例外的に加入が可能です。
 
なお、iDeCoと企業型DCの併用については、法改正により2022年10月1日から要件緩和されます。要件緩和後の主なルールは、次のとおりです。
 

●規約の定めなど特別な事由がなくても原則として企業型DCとiDeCoに同時加入できる
 
●(1)企業型DCの加入者掛金の拠出をしている場合(2)企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛け金が月々の拠出限度額の範囲での各月拠出になっていない場合は、同時加入不可
 
●上記(2)の場合、事業主は企業型DCの規約にその旨を規定する

 

iDeCoと企業型DCは似ているようで全く違う制度

 
iDeCoと企業型確定拠出年金は、基本的な確定拠出年金の仕組みの部分は同じですが、実施主体や掛金拠出者、加入対象者、掛金上限額など、違う点も多数あります。それぞれ違う制度であることを理解しましょう。
 
また、iDeCoと企業型確定拠出年金の同時加入は基本的にはできないため、注意が必要です。2つの制度の特徴や併用時のルールなどを把握して、制度を上手に活用しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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