更新日: 2021.10.18 その他年金

「専業主婦」と「年金」の関係。扶養から外れて働くメリットとは?

「専業主婦」と「年金」の関係。扶養から外れて働くメリットとは?
専業主婦の働き方を考えるとき、扶養の部分で悩まれた経験がある方も少なくはないでしょう。扶養内と扶養外、どちらの働き方にもメリットやデメリットがあります。
 
今回は専業主婦の働き方について、年金の観点からメリットを見ていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

専業主婦は第2号被保険者の扶養に入ることで国民年金の第3号被保険者になる

専業主婦は、会社員など厚生年金に加入している夫(国民年金の第2号被保険者)の扶養に入ることで、国民年金の第3号被保険者になることができます。第3号被保険者は国民年金に加入しているものの、保険料を負担する必要がなく、かつ通常の国民年金(第1号被保険者)と同様の年金額を受け取れるようになります。
 
ただし、第3号被保険者となれるのは、あくまでも厚生年金に加入している夫に扶養されている妻であり、自営業などで国民年金にのみ加入している方に扶養されている場合は該当せず、第1号被保険者となります。
 

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専業主婦が扶養から外れて厚生年金に加入するメリットは?

専業主婦が夫の扶養から外れて働き、厚生年金に加入するという選択をした場合、どういったメリットが出てくるのでしょうか。専業主婦が国民年金の第1号被保険者である場合と、第3号被保険者である場合とで分けて見ていきます。
 

国民年金第3号被保険者である場合

国民年金の第3号被保険者である場合、扶養から外れて厚生年金に加入することで得られるメリットは、まず将来の年金の給付が増えることです。
 
夫の扶養内である間は、将来受給できる年金は国民年金のみとなり、満額でも月額6万5075円(令和3年度4月分から)しか受け取ることができません。
 
しかし厚生年金に加入した場合、将来は国民年金に上乗せして、加入期間や支払った保険料など加入実績に応じた金額の厚生年金を受け取ることができるようになります。
 
さらに、万が一のケガや病気の際には、条件を満たすことで障害厚生年金を受給できます。障害厚生年金は1級から3級まであり、国民年金の障害基礎年金(1級・2級)よりも手厚い保障が受けられます。
 

国民年金第1号被保険者である場合

専業主婦の妻が、自営業の夫などに扶養されている国民年金第1号被保険者の場合は、先に説明した将来の年金額が増えることや障害厚生年金の受給対象となるほか、支払う保険料が少なくなるというメリットを得られる可能性もあります。
 
国民年金第1号被保険者は、毎月1万6610円(令和3年度)の保険料を支払う必要があります。
 
それに対して厚生年金の保険料は、給与水準によっても変化しますが、例えば月収9万3000円未満の区分であれば、本人負担分は8052円(令和2年9月分から)と国民年金の約半額の保険料で済ませることができます。月17万5000円から18万5000円未満まで収入がある区分でも1万6470円と、国民年金よりも低い保険料で厚生年金による保障を受けられます。
 

専業主婦が扶養から外れることには年金面では一定のメリットあり

専業主婦が夫の扶養から外れ、厚生年金に加入して働くことは、年金の面から見れば将来の給付が手厚くなったり、収入によっては支払う保険料が低くなるというメリットがあります。専業主婦の方が扶養と働き方について悩んだ場合、年金の面も1つの要素として考えると選択の幅が広がるかもしれません。
 
出典
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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