更新日: 2021.10.19 国民年金

未納の保険料の納付期限とは? 期限を過ぎたらどうなる?

執筆者 : 新井智美

未納の保険料の納付期限とは? 期限を過ぎたらどうなる?
国民年金の支払いは、納付期限から2年を経過した場合は納付することはできず、未納扱いとなります。
 
ただし、国民年金保険料の免除や納付猶予の承認を受けている場合は、その承認を受けた後10年以内であれば追納することが可能です。今回は国民年金保険料の納付期限について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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国民年金保険料の納付方法

第1号被保険者(自営業者や学生、フリーランスなど)の場合は、自分で国民年金保険料を納付する必要があります。そしてその納付方法については、以下の3種類が用意されています。
 

■納付書

「領収(納付受託)済通知書」を使用し、納付期限までに銀行などの金融機関、郵便局、コンビニエンスストアなどで現金で支払う方法です。納付期限は、法令で「納付対象月の翌月末日」と定められており、その日までに支払う必要があります。
 
もし、その納付書に「使用期限」と記載されている場合は、その使用期限を経過すると納付書は使用できなくなりますので注意が必要です。一方、「納付期限」との記載がある納付書については、納付期限を経過した場合でも、期限から2年間はその納付書を使用して保険料を納めることが可能です。
 

■口座振替

「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」、基礎年金番号のわかるもの、引落口座がわかる通帳やカードと金融機関届出印を持参して、市区町村の窓口で手続きすることで、口座振替での納付を行うことができます。
 
ただし、2年、1年、6ヶ月(4月分から9月分)の前納を希望する場合は2月末までに、また、6ヶ月(10月分から翌年3月分)の前納を希望する場合は、8月末までに申し込みを終えておく必要があります。振替開始月は申し込んだ翌月以降となり、振替の開始月については、はがき(口座振替開始のお知らせ)で通知されます。
 

■クレジットカード

「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」と基礎年金番号がわかるもの、そして利用するクレジットカードを持って市区町村の窓口で手続きを行うことでクレジットカードでの支払いが可能となります。
 
ただし、手続きが反映されるまでに1ヶ月程度の時間がかかることから、その間の支払いはその他の支払い方法によって行います。口座からの引落時期は、そのクレジットカードによって異なります。
 
(出典:日本年金機構「国民年金保険料」(※1))
 

納付期限から2年間を経過した場合は時効となる

納付書払いを選択している場合で、その納付書に記載されている納付期限から2年間を経過した保険料については、その後納付することはできなくなります。必ず2年以内に納付するようにしましょう。
 
(出典:日本年金機構「現金納付(納付書でのお支払い)」(※2))
 

■未納と免除は違う?

未納と免除および納付猶予の制度を混同してしまいがちですが、未納とは上述のとおり、納付を過ぎても保険料を支払っていない状況のことです。それに対し、免除および納付猶予は、その制度を受けるために申請を行い、承認を受ける必要があります。そのため、免除期間および納付猶予の承認を受けた期間については、老齢基礎年金の受給資格期間へ算入されますが、未納の場合は反映されません。
 

■保険料の追納とは?

保険料の免除および納付猶予の承認を受けた場合、その期間の保険料についてはそれ以降10年以内であれば追納ができます。追納を行うことで、受給できる老齢基礎年金額を満額に近づけることができます。
 
ただし、追納を行う際には、保険料免除および納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降は、当時の保険料に一定の金額が加算されますので注意が必要です。
 
追納した場合、その期間はその後「納付」期間として取り扱われます。ちなみにねんきん定期便においても、保険料の免除および納付猶予の制度を受けている期間の月別納付状況については、「全免」や「半免」「猶予」などと記載され、保険料を支払っていない期間については「未納」と掲載されます。
 
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(※3))
 

まとめ

納付書払いで注意したいのは、納付期限を過ぎてそのままにしてしまうことです。未納期間を生んでしまうと、納付期限から2年経過した後は保険料を納めることができなくなり、受給資格期間にも反映されません。
 
このような場合、老齢基礎年金の受け取り開始前に一定の障害の状態になった際や、亡くなった際に受け取ることができる障害基礎年金や遺族基礎年金の受け取り要件を満たすことができない可能性が出てきます。
 
免除の承認を受けた場合は、免除期間の2分の1の額の年金を受け取ることができますが、未納の場合は受け取ることができません。ただし、未納期間があっても60歳以降に任意加入をすることで、老齢基礎年金の受給資格を満たすことができたり、受け取れる年金額を満額に近づけることはできます。
 
納付期限から2年経過した保険料は、時効によって支払うことができなくなるということを知らなかったという方もいらっしゃるかもしれません。うっかり支払いを忘れている期間がないかどうか、ねんきん定期便などで確認し未納期間があり、納付期限から2年以内であれば、早めに納付するようにしてください。
 
出典
(※1)日本年金機構「国民年金保険料」
(※2)日本年金機構「現金納付(納付書でのお支払い)」
(※3)日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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