更新日: 2021.10.27 その他年金
節目のときはねんきん定期便を必ず確認。「結婚」「転職」「勤務先が社名変更」で記載漏れのケースも
加入期間が長くなるほど(年齢が高くなるほど)、同封されている資料の記載内容も多くなり、確認するのが大変ですが、書面でこれまでの詳細を確認できるのはこの時だけですので、しっかりと確認するようにしましょう。さらに、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」を利用することで、節目年齢に限らずいつでもこれまでの詳細を確認できます。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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節目年齢の時に注意すべき点
節目年齢の際には、同封されている書類の中でも特に「これまでの年金加入履歴」「国民年金保険料の納付状況」「厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況」について確認しましょう。
■年金加入履歴
年金加入履歴には、これまでにどの年金制度に加入していたかが掲載されています。厚生年金への加入であれば、勤務先の名称も記載されていますので、入社日や退職日に間違いがないかを確認しましょう。
■国民年金保険料の納付状況
国民年金保険料の納付状況には、国民年金に加入してからこれまでの年度別や月別の納付状況が細かく記されています。例えば、「納付」となっている欄は国民年金保険料を納めている月数や産前産後免除月数、または第3号被保険者として登録されている期間の月数です。
学生納付特例制度または納付猶予制度の適用を受けている期間の月数があれば、「学生納付特例等」の欄に月数が記載されます。免除を受けている期間や未納の期間がある場合も同様です。これらの記載内容に間違いがないか、おかしな点はないかを細かくチェックしておきましょう。
■厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況
厚生年金に加入していた時期がある場合は、その期間の標準報酬月額が月別に細かく記載されています。この金額を正確に覚えている人はなかなかいないと思いますが、全体的に見て大きく異なっている部分がないかを把握することが大切です。
ただし、育休や産休などで保険料が免除されている期間については0円と表示されています。また、3歳未満の子の養育期間で「みなし措置前の標準報酬月額」が適用されている場合はその額が表示され、保険料納付額はみなし措置前の標準報酬月額(実際の標準報酬月額)を基に計算した結果が表示されているので、混同しないようにしてください。
(出典:日本年金機構「ねんきん定期便サンプル」(※1))
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よくある記載漏れ
年金加入履歴や保険料の納付状況、さらに標準報酬月額をチェックした際に、記載漏れが発覚することがあります。それは以下のようなケースで多く見られます。
■記載漏れが発見されるケース
1.平成9年1月の基礎年金番号の導入までに会社を退職し、その後再就職しなかったケース
このようなケースでは、会社で働いていた期間の年金記録が正しく反映されていない可能性があります。
2.結婚して専業主婦(夫)となったが、種別の届け出を行わなかったケース
結婚して専業主婦(夫)となった場合、それまで厚生年金に加入していたのであれば、第2号被保険者から第3号被保険者へ、それまで勤めていなかった場合は、第1号被保険者から第3号被保険者への切り替えが必要となります。基本的には配偶者の会社を通じて手続きを行うため、記載漏れは発生しないはずですが、届け出た期間の誤りにより、加入期間が空白の状態となり、その間の保険料が未納扱いとなっている可能性があります。
3.転職をした際にその情報が反映されていないケース
転職の際に基礎年金番号を届け出なかったことなどが原因で、新たな基礎年金番号が発行され、重複して付帯されている可能性があります。その際には片方の基礎年金番号の情報にひもづけられている情報が、もう一方の年金基礎番号の情報に反映されておらず、空白の期間が生まれている場合があります。
4.勤務先が社名変更したケース
勤務先の変更届け出が遅れたなどの理由で、社名変更後に未納期間が発生している可能性があります。合併などで社名が変わった際には、空白期間が生じていないか必ず確認するようにしてください。
(出典:日本年金機構「年金記録の再確認をお願いします」(※2))
まとめ
年金記録の記載漏れは、ねんきん定期便で確認する方法以外にも「ねんきんネット」を利用して確認できます。さらに、ねんきんネットを使えば、節目年齢の時だけでなく、自分自身が気になった際にいつでも確認することができます。
利用には登録が必要ですが、マイナンバーカードをお持ちの方であれば、「マイナポータル」を利用することで登録ができます。また、基礎年金番号とメールアドレスを利用してユーザーIDを取得することで登録もできます。
もし、確認した際に間違いが発覚した場合は、速やかに年金事務所に対して訂正の請求を行う必要があります。内容によっては訂正完了までに数ヶ月を要することもあります。年金受取開始までに記載漏れや誤りを訂正するためにも、なるべく早めに自身で加入状況や納付状況を確認し、記載漏れを訂正しておきましょう。
出典
(※1)日本年金機構「「ねんきん定期便」をお送りします。」(令和3年度「ねんきん定期便」35歳、45歳の方)
(※2)日本年金機構「年金記録の再確認をお願いします」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員